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2015年7月19日日曜日

英語の敬語や、名前をまだ知らない相手への呼びかけ方など。

こんにちはー、トレーナーどばしです。




今回はロンドンを舞台にしたファンタジー小説の英文をトレーニングの題材にしたいと思います。




タイトルは”Rivers of London”で、作者はBen Aaronovichです。







Peter Grantは巡査見習いでしたが、四角四面で真面目な仕事はしたくないと思っていました。

そんな彼はある日、殺人事件の調査をしているうちに、Nightingale警部補の目にとまります。

Nightingale警部補は、イギリス最後の魔法使い。巡査になったGrantは同時に魔法使いの訓練生になります。


パーリーにあるバンパイアのねぐらを訪れたり、テムズ川で起きた神々の争いを調停したりと、Grantの生活は一変してしまうのでした。







今回の英文は、Grantが殺人事件の調査をしていて、事件の目撃者だというNicholasという人(?)に聞き取りを行っている場面です。



今回の英語



'Now sir,' I said, 'if you could just tell me what it was you saw.'

'I saw plenty, squire.'

'But you were here earlier this mornig?' My instructors were also clear about not cueing your witnesses. Information is only supposed to flow in one direction.

'I'm here morning, noon and night,' said Nicholas, who obviously hadn't gone to the same lectures I had.

'If you've witnessed something,' I said, 'perhaps you'd better come and give a statement.'

'That would be a bit of problem,' said Nicholas, 'seeing as I'm dead.'



今回の英文の音声を聞きたい方はこちらをどうぞ。"Say It"ボタンを押すと、音声が流れます。






全体訳



「それでは」私は言った。「あなたが何を見たのかだけ、教えていただきたいのですが」

「兄ちゃん、それはもう色々見たよ」

「しかし、昨日の朝は今日よりも早かったんじゃないですか?」指導員たちは目撃者にきっかけを与えてしまうようなことは決してしない。情報の流れは一方向のみあるようにしなければならない。

「ここなら朝いるし、昼も夜もいるよ」とニコラスは答えた。間違いなく、彼は私が受けたのと同じ講義には出席していない。

「もし何か目撃したのなら」私は続けた「ちょっと来ていただいて、証言をもらえたらいいんですが」

「それはちょっとどうかな」ニコラスは言った「見たは見たけど、死んでる人間としてだよ」







この英語、こう使おう!




◎ ”now”

私は「それでは」と訳しましたが、今回の”now”は「相手の注意を引き、話題を変えたり質問をしようとしたりする」ときに使えます。「ねえ」とか「あのう」などの日本語が近いですね。





◎ ”sir”

相手(男性)の名前がわからずに、敬語で呼びかけるときに名詞の”sir”を使います。お店やレストランなどで店員がお客に対して使います。





◎ ”if you could”

”if you could”はやはり敬語の表現で「よかったら~してくれませんか」というニュアンスになります。これの前に”I appreciate”や”I wonder”などがつくともっと丁寧になります。今回はGrantもお巡りさんなので、そそこまで謙譲しているわけではないんですね。



◎ ”plenty”

”plenty”の「たくさん」は、だいたい必要としているのと同じくらいのたくさんになります。多すぎないたくさんなんですね。






◎ ”squire”

なかなかネイティブの方に”squire”を使うのはハードルが高そうですが、”sir”のように名前の知らない男性への呼びかけに使えるイギリス英語です。「お兄さん」「おじさん」「あんちゃん」「だんな」などなど。名前は知らないけど親しげに話すキャラクターが感じられます。


◎ “clear”

“clear”は「くもりが一つもなくすっきりしている」イメージの形容詞です。今回は論理的に「明快な」感じが近いようです。


◎ ”cue”

動詞の”cue”は「相手になにかしらの合図を送る」しぐさを言います。どうぞ、っていう感じで。今回はそれをしないことで、質問の主導権を警官が握るようにしているんですね。


◎ ”supposed”

”supposed”は今回形容詞として使われているようですが、ニュアンスとしては「実際のところは必ずしもそうでなければいけないことはないけど、事情によってそうあるべきということになっている」状態になります。つまり、日本語にすると「~になるべき」という”should”のような意味になりますが、そこには言外に、何者かの力によってそうなっているという含みが加わります。



◎ ”perhaps you’d better”

”perhaps you’d better”も敬語です。perhapsは「~かもしれない」といった可能性についてのニュアンスになりますので、遠回しに頼んでいる表現になります。




”statement”

 ”statement”は「公的な発言」という意味の名詞です。警察で行うものなので「証言」が今回は日本語としてはあてはまるでしょう。



◎ ”a bit of ”

”a bit of ”は「ちょっと」という日本語がぴったりですね。そこには本人の否定的であったり消極的な気持ちが表れています。なので、今回のようにofの次にくる名詞も”problem”のように、好ましくないものが続きます。

それではそのようなイメージを持ちつつ、音読を10回しましょう!

2015年7月18日土曜日

女王の夫を英語で言うと?その他magicの口語表現の使い方など。

こんにちはー、トレーナーどばしです。



私が行ってみたいな、と思っているので、最近のこのブログはひたすらロンドン関連の洋書を取り上げてその英文を題材にスピーキングで使えるように解説していっています。




一口にロンドンと言っても、見どころはやはり数えきれないほどあります(ロンドンのさまざまな地区を紹介した本の英文もどうぞ)。今回の本はロンドンに行ったら見逃してはならないスポットを紹介してくれる本です。




タイトルは”111 Places in London That You Shouldn't Miss”です。著者はJohn SykesとBright Weber。










今回の英文


Tower Bridge may be world-famous, but nothing spans the Thames more beautifully than Albert Bridge a few miles upstream. Named after Queen Victoria's consort, the bridge is truly enchanting after dark, when 4000 fairy lights put a magic sparkle on its octagonal towers and iron stays. During daylight hours, the pastel shades of its paint-pink, blue and yellow-pick out the intricacies of the structure.




今回の英文の音声を聞きたい方はこちらからどうぞ!”Say it!"ボタンを押すと英文が再生されます。













全体訳



世界的に有名なのはタワーブリッジかもしれないが、テムズ川に架かる橋の中では、タワーブリッジよりも数マイル上流にあるアルバートブリッジほど美しいものは見当たらない。名前はビクトリア女王の夫にちなんだものである。日が落ちると、八角形の塔とロープにつけられた4000個の豆電球がきれいに並び、人の目を奪う。日中には、ピンク、青、黄色に塗られたパステル色のシェードが、込み入った細部の構造を際立たせる。









この英語、こう使おう!



  • 今回の“span”は「片方からもう片方へまっすぐ伸びる」というイメージ、つまり「架かる」という動詞です。「スパン」という日本語のような名詞としての意味もありますが、今回は動詞として使っています。どちらも、ここからここまでというイメージは共通していますね。

  • “named after”は「~にちなんで名前がつけられる」という意味になります。”name”が動詞として、”after"が「~にちなんで」「~にならって」という前置詞としての役割を持っています。

  • ”consort”は、王や女王など「統治者の配偶者」を指す名詞です。

  • ”truly”は強調に使う副詞ですが、「まさに」「実に」といったように、修飾する言葉が本当に当てはまると思ったときに使いたい言葉です。

  • ”enchanting ”は「魅力にあふれていて、見ていていい気分になるような」状態に使える形容詞です。”delightful”に人目を引く魅力をプラスした感じでしょうか。

  • クリスマスの電飾のように色がついていたりする豆電球を”fairy light”と言います。

  • ”magic ”というと「魔法」と言う意味で名詞として使われることが多いですが、今回は”sparkle”を修飾する形容詞です。ややくだけた表現なので日本語にすると「すごくいい」とか「ほんといい感じ」になってしまうでしょうか。ちなみに”Magic!”というとやはりくだけた”Very good !”になるので、「超いい!」という日本語に近くなります。

  • 形容詞のmagicに修飾されているので、今回の”sparkle”は名詞です。「一続きになって連なった光」がsparkleです。

  • 「八角形の」という形容詞が”octagonal”です。少し発音がわかりづらいですが、発音記号だと[ɑktˈægənl]になります。シラブル発音文(シラブル発音文について)だと[ak-TEAg-ə-nl]です。

  • 今回の”stay”は名詞で、「柱を支えるロープやワイヤー」のことを指します。船のマストから伸びるロープなどにstayを使うことが多いです。

  • 句動詞にはいろいろな意味があるのでまずは全体的なイメージをつかみつつ、文脈によって使い分けるようにしましょう。”pick out”の、"pick"と"out"のそれぞれのイメージ、「つまむ」と「外」をつかみ、今回ならば全体から込み入った部分だけが取り出されているんですね。それが「際立っている」状態です。

  • ”intricacy”は”complication”の「複雑」よりも、「細部のややこしさ」「部分の複雑さ」に焦点を当てている名詞です。


さて、このような単語のイメージを持ちながら、音読を10回しましょう。

2015年7月16日木曜日

「オーダーメイド」は和製英語。それなら英語ではなんて言う?その他、車に関しての英語など。

こんにちはー、トレーナーどばしです。




引き続き、ロンドンをテーマにした本から英文を拝借していきますが、ロンドンと言えばこの車を思い浮かべる方も少なくないのではないでしょうか。そうです、赤い2階建てバスです。このルートマスターについて書いた本の英語を英会話などに使えるように、解説していきます。




本のタイトルは”The Bus We Loved: London’s Affair with the Routemaster”で、著者はTrabis Elboroughです。





ルートマスターは市内の路線バスとしては2005年に廃止され、現在は観光用としてのみ利用されています。





今回の英文


Three thousand motor buses that carried 'Londoners...to almost every important market town or village within a 30-mile radius of central London' were serviced here in the 1920s, and there was an experimental engineering shop that developed bespoke vehicles for the company. In 1925, the Chiswik Training School was established to tutor driver and conductors joining the General, and to retrain existing staff whenever its engineers introduced new models.


今回の英文の音声再生はこちらをどうぞ。"Say it"ボタンを押すと読み上げてくれます。










全体訳


1920年代にはここで、3万台のバスが整備され、「ロンドンの中心部から半径30マイル内の、主要なマーケットタウンや村はほぼすべて周り、ロンドンっ子を」運んだ。また、実験的なエンジニアリング工場もあり、会社から依頼された車を開発したりした。1925年、ロンドン・ジェネラル・オムニバス・カンパニーも協力した、クリス・ウィック訓練学校が設立された。運転手や車掌の個人指導がそこで行われ、また現役社員も技術者が新しい型を作り出すたびに再教育が実施された。







この英語、こう使おう!





  • ”market town”は市を立てる権利を保有している町のことを指す名詞です。マーケットタウンは中世からの歴史を持っていることが少なくありません。






  • ”radius”は数学などで使われる「半径」という意味の名詞です。「~の半径」で”radius of~”になります。






  • 今回の”service”はぱっと思いつく「サービス」ではありません。”ed”がついているので、動詞であることはすぐにわかりますが、自動車などにこの英語が使われるときには試験や修理を含んだ「整備する」という意味になります。あまり知られていない使い方ですが、車などの話には出てくるので、知っておくと便利です。






  • この”shop”も今回のテーマならではの使い方です。shopと言えば「店」がほとんどですが、この文では何かを作ったり修理したりする「工場」という意味として使っています。






  • ”develop”は「新しい考えや製品を発展させる」という動詞です。






  • “bespoke”は「個々の顧客の必要に応えるように作られた」という意味の形容詞です。「オーダーメイド」に近い感じでしょうか。ちなみにオーダーメイドは和製英語です。ほかにも"made-to-oder"と言ったりします。






  • ”vehicle”は「車」より少しかしこまった感じの名詞です。トラックやバスにも使います。「自動車」とか「車両」という日本語があてはまるかもしれません。文章で同じ単語ばかり使うのを避けるときに、”car”の代わりにvehicleを用いるのも1つの方法です。





  • 「設立」という日本語がぴったりな動詞の”establish”です。「何か組織やシステムを長い時間かけて始めたりつくったりする」場合に使えます。







  • 日本語でも「チューター」というカタカナ語を耳にすることがありますが、今回の”tutor”は動詞です。「個人的に指導する」という意味になります。「家庭教師をする」という意味もあります。






  • ”conductor”は「指揮者」という日本語の方が馴染みがあるかもしれない名詞ですが、今回のように電車はバスのときにこの単語が出てきたら「車掌」という意味になります。






  • “existing”は”exist”にingがついていますが、今回は形容詞のように使われています。そして意味としては「現役の」「今現在の」です。






  • ”introduce”という動詞は「誰かを誰かに紹介する」という意味が一番ポピュラーですが、今回は「初めて世に出す」といった使い方になります。

それでは以上のようなことをイメージしつつ、音読を10回しましょう。

2015年7月15日水曜日

"change"と"turn"の「変わる」はどう違う?その他、”ordinary"や"subterranean"の使い方についてなど。

こんにちはー、トレーナーどばしです。




今回はロンドンの地下の世界に焦点を当てた本を紹介したいと思います。人々が行きかう賑やかな上とはまったく異なる暗いトンネルの中はどんな人、生き物が生きてきたのでしょうか。




本のタイトルは”London Under”で、著者はPeter Ackroydです。





今回の英文



The subterranean world can be a place of fantasy, therefore, where the ordinary conditions of living are turned upside down. In the nineteeth century it was seen as a sanctuary for criminals, for smugglers, and for what were known as 'night wanderers'; the cellars and tunnels beneath the ground were described as 'hidden haunts of vice' populated by 'the wild tribes of London' or the 'City Arabs'.




英文の音声再生はこちらからどうぞ。"Say it"ボタンを押すと、上の文をしゃべってくれます。








全体訳



地下世界というものは、想像の場になりやすい。だからそこでは生活も普通の状態が根底から覆されることになる。19世紀のころ、地下世界は犯罪者や密輸業者にとって格好の隠れ場所になっていた。どうして彼らのことが広まったのかはわからないが、「夜の彷徨者たち」として知られていた。また、地表より下に造られる倉庫やトンネルは「悪の隠れ家」と言われ、「ロンドンの荒くれ民族」や「シティ・アラブ」たちがたくさん住んでいた。







この英語、こう使おう!


  • ”subterranean”にはただ「地下の」という意味に加えて、「秘密裏に」といったニュアンスもあります。日本語の「水面下」のように、表立っては見えないことを指す形容詞です。

  • ”therefore”は論理的な話の展開に使う副詞で、その前の文を受けて、「だから」「その結果」というふうに次の文章をつなげます。今回ならば、地下の世界は想像の場である、「その結果」、生き物のありようも普段とはぜんぜん違うものになる、ということですね。

  • ”ordinary”は「ふつうの」という形容詞で、今回はふつうじゃない世界を主題にして話しているので文字通りの意味ですが、「面白みのない」というニュアンスを含んだ意味にもなります。日本語でも「ふつうだね」といったら場合によっては同じようなニュアンスになりますね。

  • 今回の”living”は名詞として使われています。「生き方」「生活のあり方」といった意味です。

  • ”turn”は”change(変わる)”にもう少し新たなニュアンスが加わり、「がらりと変わる」といった感じになります。それまでと方向性がまったく変わる様子を細かく表したいときに使える動詞ですね。(「~になる」のgetやbe+過去分詞、becomeの違いは?

  • ”upside down”は”Rain: A Natural and Cultural History”の回にも出てきた形容詞ですが、今回は比ゆ的な表現で、「秩序がなくなった」という意味になっています。

  • 名詞の”sanctuary”は日本語でも野生動物などを保護する「サンクチュアリ」という言葉が使われますが、今回はそれを広げた意味で「安全が保障されていて、追手が来ない場所」という使い方をしています。

  • ”criminal”は形容詞としても使えますが、今回は「犯罪者」という名詞です。

  • 違法に輸出入を行う「密輸をする人」、という名詞が”smuggler”です。

  • ”for what”は「どうしてだか」という意味で副詞的に使うことができます。

  • ”wanderer”は「あてどなく歩いている人」のことを指す名詞です。住む家もない「根無し草」のような意味にもなります。

  • ”cellar”は名詞で、ワインセラーのcellarです。地下倉庫ですね。

  • tunnelの話が出た回がありますので、よかったらそちらも参考にどうぞ。トンネルが「伸びる」はどんな英語になるのか、といったことがわかります。

  • ”describe”は「説明する」なんて日本語があてられる動詞ですが、どちらかというと「特徴などについて」の”say”と言った感じでしょうか。説明する、というほど硬くはなく、特徴について言うというその限定的な「言う」にdescribeのイメージがあるようです。

  • ”haunt”は「たまり場」といった意味の名詞で、よく訪れる場所のことを言います。

  • ”vice”はざっくり「悪、悪行」といった意味にもなる名詞ですが、「性犯罪」や「薬物」といった具体的なイメージを含むこともあります。

  • ”populated”は副詞的に使っていて、「たくさんの人によって住み着かれた」といった意味になります。



このような単語のイメージを持ちながら、音読を10回しましょう。

2015年7月13日月曜日

"and"以外にもある。「それにね・・・」の"plus"。その他、川についての英語など。

こんにちはー、トレーナーどばしです。




さて、きょうの英文は、テムズ川の両脇を走る「テムズパス」という遊歩道を主題にした本からピックアップします。テムズパス周辺のスポットをイラストをメインに案内してくれます。

ロンドンの様々な地区を紹介した本の英文を使った回もありますので、よかったらご覧ください。



タイトルは”London Thames Path”で、著者はDavid Fartherです。



今回の英文は、テムズ川で毎年行われる、オックスフォード大学とケンブリッジ大学のボートレースについての部分です。






今回の英文

Putney Bridge is the starting point of the annual rowing race between the University Boat Clubs of Oxford and Cambridge. The first race was held in 1829 and has continued uninterrupted since 1856 (except during the two World Wars). Over a quater of a million people line the banks of the Thames to watch the race, plus millions on TV, on either the last Saturday of March or the first Saturday of April. The finish line in 6.8km upstream at Mortlake. They race  on an incoming flood tide.


英文の音声再生はこちらでどうぞ!"Say it!"ボタンを押してください。

全体訳

パットニーブリッジは、毎年行われるオックスフォード大学とケンブリッジ大学対抗のボート部による漕艇競技がスタートする場所になっている。競技が最初に開催されたのが1829年のことで、2回の世界大戦を除けばずっと途切れることなく続いている。3月の最後の土曜日か、4月の最初の土曜日には、競技を観戦しようとテムズ川の川岸にやってくる人は25万人を超え、さらにはテレビで見る人は何百万人にもなる。ゴール地点は6.8km上流のモートレイク。選手たちは川に流入する満潮に乗って競技を行う。





この英語、こう使おう!


  • annual”は日本語だと単語ひとつでは足りない英語かもしれません。「毎年ある」「毎年起きる」といった意味になります。毎年行われる行事だけではなく、自然現象などで起きるものにも使えます。このような単体で訳しづらい単語もあるので、なるべくチャンクで英語を覚えるようにするといいでしょう(英語学習に効果的な「チャンク」について)。



  • hold”の「開催する」という意味は学校などでもよく習う意味ですが、「抱える」「維持する」といった意味とは少し離れているようなイメージがあります。しかし、holdには「コントロールする」「把握する」「影響をもつ」といった共通するニュアンスがあるので、日本語の開催するという意味よりも、何かの運営をコントロールするといった含みが伝わります。



  • uninterrupted”は簡単な日本語にしてしまうと「途切れずに」となりますが、単語を見るとわかるように”un(~でない)”と”interrupted(邪魔される)”なので、「いろいろな要因の影響を受けて邪魔されるようなこともなく」途切れないというニュアンスになります。



  • line”は今回、最初に出てくる方は動詞として使われているので、「線」ではなく「列をなす」という意味になっています。次の”the finish line”は名詞の「線」ですね。英語は1つの単語で複数の品詞に使うようにする意識は大事です。(⇒lineの「行列」という意味



  • 川の話をしているので、”bank”は今回「銀行」ではなく「川岸」になります。いつも文脈の中で英語を理解しようとしましょう。空気を読む、に近いでしょうか。文脈について説明した記事もありますのでよかったらどうぞ!



  • ここでの”plus”は接続詞として使われています。くだけた感じで「あと・・・」と情報を付け加えることができます。会話の中などでも「それにね・・・」のように活用できますね。filler wordsとしても使えそうです(filler wordsとは)。文章や硬い表現ではでは"besides"を使います。plusが「あとねぇ」な感じならば、"besides"は「それにだね」といった感じでしょうか。



  • either...or~”は「...か~のどちらか」でしたね。eitherをつけなくても”or”だけでも構いませんが、それは日本語も同じですね。「どちらか」の部分をつけてもつけなくてもいいですもんね。「どちらか」という、その対比性をちゃんと伝えようとするときはeitherをつけましょう。



  • incoming”は「こっちのほうにやってくる」というイメージの形容詞です。今回のように川の水や海の波などと相性がいいですが、感情にも使えます。



  • flood tide”はfloodが入っていますが洪水ではなく、「上げ潮、満潮」という意味になります。


2015年7月11日土曜日

かしこまった感じを出す"動詞+of+名詞”。その他、暴力性を表す英単語など。

こんにちはー、トレーナーどばしです。



今回のロンドンの本は、市内にある100カ所の建築物の歴史を振り返る1冊です。歴史的建造物を愛するイギリスを表すような本です。



タイトルは”A History of London in 100 Places”で、著者はDavid Longです。



前回はロンドンの時代小説のローマ時代について書かれている部分を取り上げましたが、今回はそのローマ時代に今のロンドンの基礎となるロンディニウムに築かれたロンドン・ウォールについての説明です。場所はタワーヒル駅の近くです。




今回の英語



Militarily the early trading post had been of little importance, but following the carnage of Boudicca's ferocious onslaught - Tacitus tells of literally thousands being 'massacred, hanged, burned and crucified' - a fortress was built in the north-western part of the city that we call Cripplegate. Later. in the third century, a defensive wall was thrown up around the remainder.





全体訳



早い時期から交易の拠点になっていたこの場所も、軍事的にはそれほど重要ではなかったが、ブーディカが熾烈な猛攻で大虐殺―タキトゥスの記述によれば実に何千人もの人が『殺戮され、首をつるされ、焼かれ、責めさいなまれた』という―を行って以降、シティの北西部に要塞が築かれた。そこが今現在私たちがクリップルゲートと呼んでいる場所である。3世紀の終わり、その遺構のところに防壁が急造された。






この英語、こう使おう!



  • 副詞が使えるようになると、表現の幅がぐんと広がります。”militarily”(軍事的な観点では)は”the early trading post”を説明しています。1つの単語で単語のカタマリをいっぺんに修飾できるので副詞は便利です。





  • “post”は物流や経済の歴史について話している中で使えば、それだけで「交易所」という意味になります。しかし今回の文章のテーマは軍事的な話をしているので、丁寧に”trading post”と言っています。軍事的な話の中でただpostと言ってしまうと、「配属地」という意味になってしまうのでそれを避けたのでしょう。





  • ”little”は「小さい」という使い方はすぐできるものですが、「たいして~ではない」という使い方はちょっと慣れが必要です。今回は”importance”を説明する使い方になっていますが、そうでなくても「あまりたいしたものではない」というニュアンスが含まれています。日本語の「たいして」とか「それほど」にあるニュアンスと同じです。






  • 日本人にとってなかなかしっくりこない表現が今回のような”動詞 + of + 名詞”の言い回しです。別に今回も”the early trading post had been little important”と言っても構わないのですが、”of little importance”とすることで、ちょっとかしこまった感じにできます。格調を高くしたいときに使うので、リスニングやリーディングのときにもこうした使い方をするという意識を持っておくとスムーズに理解できます。






  • ”following”は「~より後では」という使い方ができます。形容詞として使うので、日本語とは逆に「~」にあたる英単語の前にもってきます。今回で言えば、”the carnage”の前です。






  • 多くの人を残虐に殺すことが”carnage”という英語になります。







  • “ferocious”を「熾烈な」という日本語に私はしましたが、そもそも日常で「熾烈な」という日本語を使う場面があまりないので、そうなるとこの単語が意識に上ってくることはさらになくなってしまいます。「攻撃的で勢いがあり、さらに暴力性がある状態」だというイメージを覚えておきましょう。






  • “onslaught”もferociousとイメージはほとんど同じですが、実際の攻撃を指しますので、攻撃「的」ではありません。激しく暴力的な攻撃です。







  • “tell of”もやはり”tell about”よりもかしこまった言い方になります。「~について述べている」という感じに近いでしょうか。






  • ”literally”は日本語で「実に」としました。そこには驚きを強調しようとしている気持ちが込められています。なのでこの副詞はこれより後の文を修飾しています。






  • 「残忍は方法で大量の人を殺す」という動詞を”massacre”と言います。名詞と動詞の違いを抜きにして、massacreはcarnageよりもその残忍な様子が強調されます。







  • ”fortress”は「要塞」と訳される通り、「頑丈で防衛に強い」イメージの「砦」になります。






  • “throw up”は「ぽいぽいっと積み上げてつくる」イメージです。






  • ”remainder”は”rest(残り)”と意味としてはほぼ一緒ですが、やはりかしこまった感じになります。残りではなく「残余」、残されたものではなく「遺物」と言った感じでしょうか。



そんなことをイメージしながら音読を10回しましょう。

2015年7月9日木曜日

"breeze"と"wind"の違い、Venusの言い換えなどについて

こんにちはー、トレーナーどばしです。



今回はロンドンをテーマにした小説を取り上げたいと思います。ローマ時代からビクトリア王朝時代までの1600年にわたる壮大な時代小説です。原書は800ページ以上もあるんですが、いつもの通りその一部をお届けします(汗)



タイトルは”London”で著者はEdward Rutherfurdです。



それでは紀元前54年のロンドンにタイムスリップしましょう。





今回の英文


The cold breeze was coming up the river from the estuary. There was a faint, sharp smell of mud and riverweed. Above, the bright morning star was beginning to fade as the clear sky turned to a paler blue.
 The boy shivered. He had been standing an hour and he was cold. Like most of the folk there, he wore a simple woolen tunic that reached  to the knees and was fastened at the wast with a leather belt.


英文の読み上げはこちらでどうぞ!"Say it !"のボタンを押してください。





全体訳



冷たい微風が河口の方から川をさかのぼってくる。かすかだが泥とカワゴケソウのつんとする匂いがする。顔を上げると、強い光を放つ明けの明星が晴れ渡って青みが薄れていく空に消えていこうとしている。
少年は震えていた。もう1時間も立ちっぱなしで寒くなったのだ。そのあたりの人たちと同じように、彼も簡素な羊毛のチュニックを着ていた。丈は膝まであり、腰のあたりに革のベルトを巻いて固く締めていた。



この英語、こう使おう!



  • breeze”は”wind”の弱いバージョンです。「そよ風」などの日本語がよく使われますが、今回は”cold”とセットなので微風にしました。ふんわりと感じるくらいの風ですね。

  • estuary”は広い川の河口、海へと注ぐところを指しますが、一般的には”mouth”を使います。ちょっとかしこまった言い方をするときにetuaryが使えます。日本語で言うと川裾とか川尻とかが近いのでしょうか。

  • faint”は「あるかなきか、ほんのかすかな」状態に使えます。

  • あまり日本語で「鋭い匂い」とは言いませんので、”sharp”独特のニュアンスをつかむ必要があります。sharpには「はっきりした」というところから「強い」というニュアンスがあります。しかも”smell”とセットの時には、やや「いい匂い」というイメージもあります。なので「臭い」ではなく「匂い」にしました。


  • bright”はまさに「きらきらしている」感じですね。今回のように「光」にまつわる英語とは相性抜群です。

  • the morning star”は朝方に出ている星という漠然としたものではありません。複数形じゃなfaいですしね。金星(Venus)が見えるのは朝と夕方だけですが、その朝見える金星、明けの明星がthe morning starです。

  • fade”はただdisappear(消える)だけではなく、「徐々に薄くなって消えていく」ことをいいます。vanishのようにぱっとではないんですね。

  • brightが光(light)と相性が抜群なら、こちらもやっぱり仲良しです。”clear”と”sky”。「晴れ渡って雲や霧がない」、空がクリアな状態です。快晴ですね。

  • 色の表現によく”pale”は使われます。「白をたくさん含んだ」色になります。そして今回はさらっとpalerと比較級が使われています。学校で習う文法のようにthanが出てきていませんが、無理に「~より」と考えずに、こちらもfadeのように、少しずつ白が多くなってきているんだなぁとイメージすれば大丈夫です。


  • cold”は気温にだけだはなく、今回のように「寒いと感じる」「体が冷える」と、人間を主語にしても使えます。

  • folk”は”people”よりも地元感のある「人々」になります。人間臭さがあるというのでしょうか。民俗のニュアンスを含んでいます。

2015年7月8日水曜日

会話でよく聞く”actually"はどんなときに使う?その他、犯罪についての英語などについて。

こんにちはー、トレーナーどばしです。


今回は、今のロンドンに住む人たちどんな生活をしているのか、インタビューをしてまとめた本です。



タイトルは”Londoners: The Days and Nights of London Now - as Told by Those Who Love it, Hate it, Live it, Left it and Long for it “で、著者はCraig Talorです。



それではリーズからロンドンに来た、Raymond Lunnさんの話の一部を見てみましょう。






今回の英文



I was actually a career criminal, made my living out of crime from the age of ten to about twenty-two. I'm thrty-seven now. So it's fifteen years since I've last been in trouble with the police and once I graduated from university I thought, right, I need to challenge what's affecting my life. What was affecting my life was my past and the law that says an ex-offender has to tell any prospective employer about their previous conviction.


英文の読み上げはこちらからどうぞ!"Say it!"を押すと再生されます。

全体訳



いや、俺は常習犯ってやつだんたんだよ。10歳から22歳くらいまでだったかな、犯罪で食っててね。今、37なんだ。だから警察に最後お世話になってから15年になるだね。前はね、大学を卒業するっていうのも考えたよ。そう、何かこう自分の人生を動かすようなものに挑まなきゃいけないって思うから。俺の人生に影響してきたのは自分の過去だったんだよ。法律では前科者は雇い主になるかもしれない人には必ず犯罪歴を申告しなきゃいけないことになってるし。





この英語、こう使おう!



  • “actually”は会話のさまざまな場面に出てきます。今回はどういう使い方でしょうか。Lunnさんは自分の変えなきゃいけないと思っている現状に大きな影響を与えている過去に犯してきた罪について話そうとしています。なので、ここでのactually(実は・・・)は「少し言いだしづらいことをこれから話す」という前ふりに使っています。



  • “career criminal”は衝動的な犯罪ではなく、「日常的に犯罪を繰り返す人」、常習犯を指します。



  • “make living”で「生計を立てる」、つまりお金を稼いで生きていくことです。myがついているので自分の生活ですね。それに”out of”がついています。「~で」というその手段について説明しています。



  • “I’ve been in trouble”という表現は、”made”などの動作動詞が使われていないことに私はおやっと思いました。これはbe動詞という状態を表す動詞にしていることで、距離を取って過去の自分を見ているように感じられました。動作ではなく状態動詞を使うことで、状況をメインにして話すことができるんですね。動作動詞と状態動詞についての説明は「英語の状態動詞と動作動詞のお話」を参考にしてください。



  • “ I graduated from university I thought”はふつうの文法で言うと、あれっと思います。先に「大学を卒業した」と言っているので、本当に卒業したのかと聞いていると「俺は思ってたんだ」と続きます。語順で言えば、英語より日本語に近い形になっています。大学を卒業するくらいのこともしなきゃ、という気持ちが先行してしまったのかもしれません。あとから、「ああ、ほんとはしてないけど、そう思っていたんだ」と付け加えている感じでしょうか。



  • 今回の”actually”と“right”は以前に紹介したfiller wordsの一種です。rightは自分が話しながら頭を整理しているときに使う「うん」であって、あいづちではありません。



  • “affect”にはもともと「何か変化をもたらす」という意味があります。日本語の「影響する」も同じですが。ここでは”change”を使っていないところに注目してみましょう。changeは「直接的に何かを変える」イメージですが、affectは変化を「もたらす」と、少し間接的な表現になります。何かを間に入れて目的のものを変化させるような。Lunnさんは自分の過去を簡単に変えられるとは思っていないからこの言葉を使っているのではないでしょうか。次の”What was affecting my life was the past”というのも、「すべてが前科のせいだとは思ってないけど、結構それが大きいよね」というふうに取れます。



  • 日本語でも「法律がそう言っている」という表現をまったくしないわけではありませんが、ちょっとピンと来ないですね。”say”を「言う」とだけ覚えているとこの表現は出てきません。言うなのに、sayは「書かれている」という使い方もします。特に強調して「こんなことが書かれているんだ」という気持ちが伝えられます。”written”だと、ただ事実として、「書かれている」というニュアンスになります。



  • ”offender”は「犯罪者」、それに”ex”がついているので、「前に犯罪を犯した人」ということで”ex-offender”は「前科者」になります。





  • “prospective”は英和辞書を調べると「予期された」「期待される」「見込まれる」などの日本語が並びますが、今回のようにそのままあてはめても意味は何となく分かるけど、日本語としては変、という状況になってしまいます。「見込まれる雇い主」って?prospectiveはあまりややこしく考えず「~になりそうな」という感じで使ってもらえればOKです。「未来の~」とか「将来の~」ですね。



  • ”conviction”は一般的な犯罪のcrimeとは違い、「裁判所で認められた犯罪」です。公的に記録が残っている「前科」です。


2015年7月7日火曜日

”Gurdsman"は「ガードマン」じゃありません。あの宮殿の前にいるあの人たちです。その他、イギリス王室についての英語など。

こんにちはー、トレーナーどばしです。


今回は『大いなる遺産』『クリスマス・キャロル』『二都物語』などで知られるチャールズ・ディケンズにとってのロンドンをたどる本です。


タイトルは”Walking Dicken’s London”で、著者はLee Jacksonです。英文は出発地点のホース・ガーズ・パレードについて書かれています。





今回の英語


Guardsmens have stood sentry on this spot since the restoration of the monarchy in 1660. Yet the average Victorian would have crossed the Parade not only to admire these worthy defenders of the throne (Peggotty takes Mr Dick to see them in David Copperfield) but for another purpose: to find the correct time.The Horse Guards clock, atop the building, was famous as the most accurate in London, until the erection in 1859 of Parliament's 'Big Ben'.

英文の読み上げはこちらからどうぞ!"Say it!"ボタンを押してください。




全体訳


衛兵がこの場所で警衛として立ち始めたのは、1660年の王政復古の時から。ただ、このパレードにビクトリア王朝時代の一般の人たちの往来があったのは、王家の守る彼らの立派な姿に見とれるためのあっただろうが(『デイヴィッド・コパーフィールド』の中でペゴティがディックに衛兵を見せに連れてきている)、他にももう1つ理由があった。それは正しい時刻を見つけ出すためだった。ホース・ガーズには建物の最上部にある時計は、ロンドンでも随一の正確さで有名だった。ただ、それは1859年に英国国会議事堂のビッグ・ベンが建てられるまでのことである。





この英語、こう使おう!



  • “Guardsman”はイギリスならば王室の「近衛兵」、アメリカならば「州兵」や「国境警備隊」を指します。決して日本語のカタカナ語「ガードマン」ではありません。ちなみにガードマンは"security guard"や"watchman"という単語を使います。




  • 何かを守る「衛兵」を”sentry”と言います。軍隊の見張り番、哨戒兵、歩哨といった使い方が多いです。




  • “restoration”は何かを元に戻すことですが、ちょっと真面目な言い方です。「復旧」とか「復元」とかです。今回は”monarchy”「君主制」という言葉とセットなので、歴史用語の「王政復古」という日本語にしました。ちなみに1660年の王政復古とは、ピューリタン革命と名誉革命の間の時代にあったできごとです。日本の明治維新の王政復古は”the restoration of the Imperial Rule”でしょうか。




  • “avarage”は「平均の」というなじみのあるイメージを広げて、一般の、普通の、という感じでいいでしょう。








  • “cross”は今回、動詞として使われています。「行ったり来たり」「横切ったり通り過ぎたり」というイメージです。




  • ”admire”は「わぁ、すごい」と感心したり感動したり尊敬したりします。別に本人に直接その気持ちを伝えるしぐさではなくて大丈夫です。




  • ”worthy”は”worth”が入っていますが、「価値ある」のような所持品を評価する感覚ではなく、自分より上に見る感じです。まさにadmireの対象となりうる「仰ぎ見るような」ものに使います。ちょっと住む世界が違う感じなので、場合によっては皮肉の言葉にもなりえます。




  • “find”と言えば「見つける」という日本語そのままに使えることが多いですが、今回は”find the correct time”と、「正しい時刻を見つける」とちょっと妙な言い回しになっています。これは今何時かよくわからない状況の中で、正しい時刻を「探し出す」という感じに使っています。あっさり「知る」というよりも、「あ、これならちゃんとした時計だ」というふうなプロセスが見えてきます。




  • “atop”は”at the top of”や”on the top of”と同じ意味になりますが、ちょっと古めかしいイギリス文学の香りが出てきます。今回はディケンズの話ということで使ったのかもしれません。ふだんの英会話で使うと、日本語の会話に夏目漱石の表現を使うような感じになるのではないでしょうか。




  • “accurate”は「正確な」でほぼOKですが、正確な情報を「与える」という能動的な意味もあります。ただ、正しい情報であるという状態だけでなく、それを人に知らせる役割として使えるんですね。




  • “erection”は”building”よりももっと巨大な建物の「建造」に使います。ビッグ・ベンのように。


2015年7月6日月曜日

"inspired"は何か「降りてきた」状態。その他、ほめ言葉の英語の使い方など。

こんにちはー、トレーナーどばしです。


今回のロンドンは、子供連れに優しいスポットを集めた本です。


タイトルは”Little London: Child-friendly Days Out and Fun Things To Do”で、著者はSunshine JacksonとKate Hodgesです。


それぞれのページのデザインも凝っていて、かわいらしい本になってます。


それではロンドンにあるナショナル・ギャラリー(国立美術館)のページを見てみましょう。




今回の英文


Every Sunday the National Gallery rolls out a magic carpet, lets it settle in front of a painting and a storyteller tells a tale inspired by that work of art. It's a brilliantly simply, calm morning event for kids aged 2-5, which provides an oh-so-gentle introduction to how to appreciate art and look at paintings in different ways.

※今回の英文の読み上げにはこちらをご利用ください。"Say it"ボタンを押すだけです。

全体訳

毎週日曜、ナショナル・ギャラリーには魔法のじゅうたんが絵画の前に敷かれ、その作品が生まれるまでのことをもとにした物語を語り手が話してくれます。素晴らしくわかりやすい内容になっています。2歳から5歳向けの静かな朝に催されるイベントで、美術を味わう方法や絵画を違った視点から見る方法をとってもやさしく伝えてくれます。


この英語、こう使おう!



  • “every”を「すべて」と固定して覚えてしまっているとぱっと出てこないのが「毎~」という使い方。「いつも」というと”always”がすぐに出てきてしまいますが、これは副詞なのでSundayなどのような名詞にはくっつけられません。なので、everyを「どの~にも」というニュアンスで使えば、いろんな場面で活躍してくれます。

  • “roll out”は「外に向かって広げる」イメージです。パンなどの生地を伸ばすときにこの言葉を使うので、今回もただカーペットを敷くというだけではなく、巻かれていたカーペットがころころと広げられている様子を伝えようとしています。

  • ”magic carpet”はもちろん比ゆですが、こういった表現が出てきたときにはその比ゆによってどんなことを伝えたいのか想像してみましょう。それによって自分自身が何か相手に説明するときや、逆に相手の説明を聞くときに例えをうまく活用することで、理解してもらったり自分自身が納得できたりするはずです。今回は「魔法のじゅうたん」はどんなことをしてくれるものなのでしょうか。

  • “let”はいわゆる「使役動詞」というものですね。「・・・が~してもいいことにする」という使い方で、今回なら普段はできない絵画の前にカーペットを敷くということにOKを出しているということがわかります。文法の話を少しすると、その許される内容の動詞(今回ならsettle)には三人称のsがつかない原形になります。

  • “settle”は「落ち着いた状態や安定した状態にする」ことです。今回ならば、絵画の前に動かさずにカーペットを置いているイメージが伝わってきます。

  • “tale”という言葉は必ずしも事実だけの内容ではありません。想像によって作られているところがあっていいものです。そして何よりtaleは「わくわくさせるような話」というイメージがあります。

  • “inspired”は「何かをきっかけにしたり影響を受けて、かなり素晴らしいものを生み出されたり能力を発揮される」ことです。ちょっと日本語では単語ひとつでは表しにくい単語かもしれませんが、何か「降りてきた」状態が近いのかもしれません。

  • ”brilliantly”は「とてもうまくいっている」状態や「かなり印象的な」状態を言いたいときに使います。ほめ言葉として用意しておくといいでしょう。

  • ”calm”は”quiet”のような耳から聞こえてくる静かさというよりも、「心が穏やかな」「平和な」状態を表したいときに使えます。

  • “oh-so”はちょっとおどけた雰囲気を出すのに使えます。”very”や”really”などの私たちにおなじみの強調ことばだけではなく、こうした表現ももっていると幅が広がりますね。

  • “appreciate”はプラスの意味で「評価する」ことや、「歓迎する」ときに使います。「いいね!」という気持ちを表現するときにappreciateを使うと結構広い範囲をカバーできるでしょう。


それでは言葉のイメージを持ちつつ、音読を10回しましょう。

2015年7月5日日曜日

英語の霧か靄とは?その他、雲などに関する英語の使い方について。

こんにちはー、トレーナーどばしです。


昔からロンドンという町には魅力があったんですね。それではそんなロンドンで1日1個やることを教えてくれる本を紹介したいと思います。


タイトルは”Tired of London, Tired of Life:One thing A day To Do in London”で、著者はTom Jonesです。


このタイトルは、18世紀の文学者、サミュエル・ジョンソンの”When a man is tired of London, he is tired of life.(ロンドンに飽きた人とは、すなわち人生に飽きた人だ)”という言葉からきています。


それでは、1月11日のすることを見てみましょう。




今回の英文


Experience a London fog

Evelyn Waugh wrote of London that 'We designed a city which was meant to be seen in a fog', and although the deadly pea-soupers of Victorian London are a thing of the past, London is still at its most atmospheric on foggy days.
There is something particularly special about the fog which hangs low over the city on a cold day, obscuring well-known landmarks and giving the capital a mysterious air.


※英文の読み上げにはtext-to-speechをご利用ください。





2015年7月4日土曜日

"occupation"が「仕事」!?それはどんな仕事?その他、不動産についての英語など。

こんにちはー、トレーナーどばしです。


今回はロンドンの中でも喧騒から離れ、静かな場所をさがした1冊です。


タイトルは”Quiet London”で、著者はSiobhan Wallです。


それではFenton Houseという場所について書かれたページを見てみましょう。






今回の英文


This National Trust property used to be a wealthy 17th-century merchant's house and has since been owned by several different families. It was donated to the National Trust by Lady Katherine Binning in the 1930s and it has barely changed during its 300 years of continuous occupation.The beautiful walled kitchen garden has some pretty fruit trees and is an entrancing green space in the middle of this built-up area.


※英文の読み上げにはtext-to-speechをご利用ください。

全体訳


ナショナルトラストが所有するこの場所は、かつて17世紀のころは裕福な商人の住居として使われていた。そのあとはいくつかの家を経て今に至る。1930年にレディ・キャサリン・ビニングがナショナルトラストに寄贈。常に手入れを怠らず、300年前の姿をほぼそのままに残している。美しい壁で囲われた家庭菜園にはきれいに育った果樹が数本ある。建物の密集しているこの地域の真ん中に人の目を奪う緑の空間を作っている。


この英語、こう使おう!


  • ”property”は基本的に、今回のように不動産についての所有を指します。






  • ”wealthy”は以前でてきた”well-to-do”のように階級や身分についてまでのニュアンスは含まれません。単に「お金や財産をいっぱいもっている」状態に使います。







  • ”merchant”は日本語の「商人」になりますが、その商売の規模は結構大きいイメージになります。特に貿易をする人を指しても使うので、「○○商」という方が近いでしょう。貿易商のように。






  • ”several”はよく「いくつか」という日本語になりますが、具体的なイメージにすると「3つ以上だけれど、そこまでたくさんはない」という状態です。







  • 今回の”families”は「家族」という意味にとると、300年近くを「いくつか」の家族で所有したことになり、どれだけ長生きしていたんだろうと首を傾げてしまいます。そうではなく、「一門」や「家系」「一族」といった家柄を指す一般的な使い方です。







  • ”donate”はその物を贈る「寄付」の行為の根底に慈善としての気持ちが込められています。今回のように大きなものでなくても、食べ物や衣服を贈るときにも使えます。







  • ”Lady”は頭文字が大文字になっているので、ただの女性として使われているわけではありません。男性の”Lord”のように、敬称として名前につけられているので、貴族階級に属する人のことです。






  • ”barely”はほとんど”not”です。ほとんどなので、100%ではないけれど「ほぼない」というときに使いましょう。否定している気持ちです。







  • ”continuous”はその期間、なにも中断させるものなく続いている状態に使えます。






  • ”occupation”というと”occupy”という単語を知っているとすぐに「占領」という意味を思い浮かべてしまいますが、今回は「仕事」という日本語の広い意味での使い方が近いようです。「ずっと続けて同じようにするな職業」という感じで、農業や職人など、昔からそのやり方が変わっていない仕事のイメージです。庭の手入れをするという作業をする人が常にいたんですね。







  • “ed”がついているので見分けがつきますが、今回の”wall”は名詞としての「壁」ではなく、「壁で囲う」という意味です。壁で囲われた、庭なんですね。






  • “entrance”、「入口」!とやっぱり思ってしまいますが、entranceには「人を心地よくさせるような」「うっとりさせるような」という、人の心を引きつける力があるというニュアンスがあります。今回の”entrancing”のように、英語は名詞、動詞、形容詞と形を少し変えたりそのままだったりしながら、いくつかの品詞の役割を果たすことがよくあります。それを見極めるのが面倒、とも言えますが、逆に言えばいろんな品詞として使えることができるのだから、そのつもりで覚えればスピーキングやリスニングのときにも大きな力を発揮します。




  • ”built-up”は建物や道路で覆われている、都市的な風景を指すときに使えます。

それではそんなふうに単語のイメージを膨らませながら、音読を10回いっていみましょう。

ビールを一杯を英語にすると?その他、"considering"を使った表現方法についてなど。

こんにちはー、トレーナーどばしです。


さて、今回はロンドンにまつわる小話を集めた本を取り上げたいと思います。


タイトルは”A Curious Guide to London”です。著者はSimon Leylandです。



今回の英文はそんなロンドンの小話を教えてくれた老人と出会った場面の文章です。




今回の英文


The pub was strangely quiet considering the time of day and the events unfurling outside. I ordered a pint and sat down at the bar looking at the rain through the window. No sooner had I taken my first sip than a slightly dishevelled elderly man wearing an Evening Standard waterproof jacket sat down beside me and started talking to me as if I were a long-lost friend.

※英文の読み上げにはtext-to-speechをご利用ください。



全体訳


日中の時間帯で外はいろんな出来事が起きているのを思うと、パブの中はなんだか妙に静かだった。私はビールを一杯頼むと、カウンター席に腰を掛けて窓越しに雨を眺めた。最初の一口をすすってすぐだった。1人の年配男性が私の隣に座った。イブニング・スタンダードのレインコートを着ていて、ちょっと身なりがだらしない。彼はまるでずっと音信不通だった友人相手のようにこちらに話しかけてきた。





この英語、こう使おう!


  • “strangely”は「普通とは違う」感じですが、それに加えて「驚き」のニュアンスも含まれています。「えっ」「あれっ」という気持ちで使いましょう。




  • 「静か」は”quiet ”と覚えますが、かならずしも「無音」なわけではありません。「ほとんど」音がしない状態です。




  • 今回のように”considering”を使えると、文章に変化がつけられるかもしれません。先に、パブは妙に静かだった、という事実を言っておいて、それは、日中の喧噪であふれている外の世界を思うと「妙に静かに感じた」ということを伝えたいんですね。どうして妙に静かに感じたのかという理由を”because”ではなくconsideringを使うことで、コンパクトにまとめてパブの外と中の状況を対比することができています。便利ですねー。




  • 今回の”day”は、”the time of”がついていることや文脈から「日中」という意味であることがわかります。




  • “unfurl”は”furl(きつく巻く)”に”un(~ない)”がついています。旗や傘を巻くときに使う単語です。なのでunfurlはその逆、「開く」になります。そこから転じて、物事が「繰り広げられている」様子に使ったりします。具体的なものと観念上ものに使える英語は多いのでチェックですね。ここからは私の想像になりますが、わざわざこの単語を使ったのは、外では雨が降っていることとつながっているようです。そう、「傘」です。あえて意識してこの単語を選んだのではないかなぁ、と。




  • イギリスでの”a pint”は0.568リットルです。そしてていねいに”beer”をつけなくても、これだけでビール一杯という意味になります。この前の文章によると、雨宿りをするためにパブに入ってさっとビール0.568リットルを頼んでいるんですね。




  • 「席に着く」というニュアンスで椅子に座るときには”sit down at”と、atを使います。テーブルにつくとかにもatです。




  • “No sooner had I”は文法で言う「倒置」が起きている文章です。日本語でも同じですが、倒置をするということはどこかを強調したいということです。今回で言うと一口ビールを飲んだ、「本当にそのすぐあと」ということを強調しています。




  • “sip”は”drink”の「ちびちび」バージョンですね。「すする」というのも近いのでしょうが、お酒なのでやっぱりちびちび飲るというのがイメージに合っているでしょう。ただ、今回は名詞として使われていますね。




  • “slightly”は”little”と使える場面はあまり変わらないでしょう。ただ、イメージとしては、「薄っすら」という厚みの少なさが伝えられます。今回で言えば、うっすらだらしがないんですね。




  • “dishevelled”は、これだけで「けっこうだらしがない」状態という意味に使えますが、服や髪など、外見に対してです。時間にルーズな状態にはあてはまりません。今回はslightlyがつけられているので、書き手の気持ちとしては若干気になるくらいの服装だったのでしょう。




  • “waterproof”は「防水性の」という意味ですが、今回はjacketにくっついていて「防水性の上着」となっているので、合わせて「レインコート」として使えるのではないでしょうか。




  • ”beside”は「すぐ横」と、位置関係だけでなく距離の近さを伝えることができます。




  • “as if I were”は文法で言う「仮定法」ですね。仮定法は現実には決して起こりえない、もう一つの世界をイメージしてもらえるとOKです。wasのはずがwereになっているのが仮定法の証しです。




  • “long-lost“はとても長い年月、会ってもいなければ消息さえもつかめていないときに使います。


それではそれぞれの英語のニュアンスを感じながら、音読を10回しましょう。


ロンドンのバーやパブの中から100点を厳選した本の回もあるので、よかったらどうぞ!


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英日産業翻訳者です。IT系やスポーツ関連商品などの企業コンテンツ、コミュニケーションやゲームのアプリの翻訳やレビュー、品質管理をしています。 2020年に東京から和歌山に移住しました。時間ができると、美味しいものやきれいな景色、由緒あるスポット、面白いイベントを求めて、折りたたみ自転車でふらふらと出かけていきます。

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