こんにちはー、トレーナーどばしです。
今回は英語学習全体に効くテクニックというか意識するといいことをお話します。きっとスピーキングやリスニングの向上に役立つと思います。では、そのテクニックは何かというと、
それはずばりチャンクです。
チャンクとは何か
聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。もともとは心理学者のミラーという人が提唱した概念なのですが、ざっくり言うと「情報のカタマリ」のことです。
たとえば、「それはずばりチャンクです」という言葉を例にしてみましょう。
この文章を文字ひとつひとつの情報(あまり意味がなくなってしまいますが)にすると、12文字なので12チャンクになります。
これを品詞ごとの情報にすると、「それ」「は」「ずばり」[チャンク」「です」の5チャンクということになります。
文節ごとの情報にすると、「それは」「ずばり」「チャンクです」の3チャンクに縮まります。
普段の会話の中だと、「それはずばり」「チャンクです」のように2チャンクにまとめられるかもしれませんね。
つまり、バラバラになっている情報をつなげることで、インプットやアウトプットをする際の負担を軽減することができます。歴史の年号を語呂合わせして覚えるのもその例のひとつです。
チャンクの役割
また心理学(心理学を英語にすると?学問の分野の英単語)の話になってしまうのですが、人間の脳の記憶に関する言葉に「マジカルナンバー7±2」というものがあります。これは短期記憶(20秒前後覚えておける記憶)の限界が7±2チャンクであるということからつけられた名前です。
人によって、覚える対象によってその数が前後しますが、さっきのたとえで言うと、最初の文字をバラバラにしたものは12チャンクなのでマジカルナンバーを越えています。あの文章は意味を成している文章なので、頭の中で無意識に小さなチャンクにまとめてしまうかもしれませんが、
いおれすみたごぶにけらよ
のようにただ文字を羅列したものになると、まとまったチャンクが作れず、すぐには覚えられないはずです(一般的には)。
そこで、単語や文節、言いやすさなどでチャンクを作ると脳の負担が減り、マジカルナンバーの数値内に多くの情報を収めることができます。
さて、そろそろチャンクと英語学習がつながってきました。
英語学習におけるチャンクの活用
学校での英語の授業や受験勉強の中で、私たちはどのようにチャンクを使っていたでしょうか。おそらくよくて単語のまとまりでのチャンクが多かったのではないでしょうか。下手をすると音をバラバラにして覚えるもっともチャンク数が増えるやり方だったかもしれません(発音やアクセントを身につけたいなら「シラブル発音文」がおすすめ)。
Thank you.などのように音の数がマジカルナンバーを越えていないうちは平気ですが、単語が4つや5つある文になってくると音の数だけチャンクを作って覚えるのは無理になってきます(英語の音節は日本語よりかたまっている)。
単語ごとにチャンクを組もうとしても、すぐに二桁を越えるチャンクになってしまいます。文法の複雑なところや単語を覚えなければいけないなど、英語を挫折してしまう理由は他にもあるでしょうが、どれだけ単語を覚えても「英語がうまくなった実感が得られない」というのは、もっとまとまったチャンクを作ることを教わらないこともあると私は思います。
チャンクを意識する英語学習の実践!
論より証拠。ちょっとチャンクを作ってみましょう。
The secret has been allowing him to be a cat -- hunting and getting plenty of love!" Okura said, according to a Guinness statement.
これは以前、このブログで扱った最長寿の猫に関するCNNの記事から引用した文です。
さすがにこれをすべて音単位のチャンクにするのは面倒なので、単語単位のチャンクにすると23チャンク。あぁ、長い文章だなと思ってしまいます。
そこで、試しに
The secret has been allowing him to be a cat -- hunting and getting plenty of love!" Okura said, according to a Guinness statement.
というふうにチャンクを作ってみると、7チャンクになります。たまたまマジカルナンバーにヒットしました。どうでしょう、実際にこの文章を覚えようとしたとき、楽になった感じはしませんか?シャドーイング(英語の息づかいをシャドーイングでつかむ)やディクテーション(ディクテーションとは何か?)をするときにも意識するといいかもしれません。
これは私の感覚でまとめたので、"has been allowing him to be"でひとかたまりにしたりと、自分の理解しやすいチャンクを作ってしまって構いません。
スラッシュリーディングなどでは区切る場所がしっかり決まっていますが、使いやすいチャンクを自分で作る方が、型はない分、頭を使わなければいけないかもしれませんが、より実際の英会話におけるスピーキングやリスニングを柔軟に行えるようになります。以前に紹介した実況中継のトレーニングも最初はチャンクがぽつぽつの状態から少しずつつなげられるようにしていきます。
~スピーキングでチャンクを活かす~
そうやって練習していると、スピーキングで「自分の言葉で話している」という感覚が持てるようになるはずです。
話すときになんとなくこれまで自分が蓄積してきたチャンクごとの言葉をつなげるようにしてみましょう。コロケーションも覚えやすくなるはずです(コロケーションとは?"consider"のコロケーション)。
実際に話すときにも、きれいにまとまった1文を話してやろうと思うのではなく、チャンクをつなげていく気持ちでいるといいでしょう。
欲張っちゃだめですよ。大切なのは自分が覚えやすい、使いやすいかどうかです。1つのチャンクにいっぱい詰め込むのが目的になってしまうと、ただの丸暗記になってしまいますからね。
話すときになんとなくこれまで自分が蓄積してきたチャンクごとの言葉をつなげるようにしてみましょう。コロケーションも覚えやすくなるはずです(コロケーションとは?"consider"のコロケーション)。
実際に話すときにも、きれいにまとまった1文を話してやろうと思うのではなく、チャンクをつなげていく気持ちでいるといいでしょう。
欲張っちゃだめですよ。大切なのは自分が覚えやすい、使いやすいかどうかです。1つのチャンクにいっぱい詰め込むのが目的になってしまうと、ただの丸暗記になってしまいますからね。
ぜひ、スピーキング、リスニングに限らず、リーディング、ライティングの場面でも意識してみてはいかがでしょうか。
たっぷりチャンクが詰まった、当ブログの「著名人の英語の名言でレベルアップ」の記事もよかったらご利用ください。⇒サイドバーの「実用向け英語解説」のまたは「過去記事」の中にリンクがあります。
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