こんにちは、トレーナーどばしです。
「
英語脳」って言葉をたまに聞きますよね。
英語を英語のまま理解するというのは、
わかるような気もするけど、なんとなくピンとこないかも。
英語と日本語の距離はその他の外国語と比較しても
かなり離れていると言われています。
それは発音や文法などの違いが大きいということです。
確かにrやlの発音(
子音の発音のコツについて)や不定詞だの関係代名詞だのといったことを
思い浮かべてみれば、英語という言語が私たち日本語を母国語とする人にとっては
大きな隔たりを感じます。語順もそのひとつです。
きっちり主語や動詞(状態動詞と動作動詞を知っていますか?)の位置がきまっている英語と、
比較的ルーズでも大丈夫な日本語。そこを甘く見ていると痛い目を見てしまいます。
学校の英語の教科書にしても、
多くの英語学習の本にしても、英語と自然な日本語の対訳がのせられています。
そして覚えるべき単語だけをピックアップして意味と発音が説明してあります。
文章全体の意味を理解し、必要(と思われる)単語を学ぶ方法として
とても効率的だと言えるかもしれません。
ただこの方法だけをとっていると、
自分でも気づかないうちに落とし穴にはまってしまいます。
英語を勉強したことのあるなら多くの人が経験したことがあるでしょう、
「
なんとなく言っていることはわかるけど、いまいち頭にスッと入ってこない」感覚です。
これは
日本語とはまったく異なる英語の語順を無視して、
それぞれの単語や熟語のつながりを意識できなくなっているからです。
まとまったスムーズな日本語訳にだけ慣れてしまうと、
単語や熟語がほかのものとどうつながっているのか考える習慣が身につきません。
その結果、単語や熟語を自分で調べても、
ひとつひとつが点でポツンポツンと並んでいるように感じられ、
文全体の意味やイメージが伝わってこなくなります。
これを防ぐためには、よく言われている「
文の頭から訳す」や、
スラッシュ訳をする必要があります。
スラッシュ訳とはある程度の意味のカタマリでまとめて、
そのまとまりごとに意味を理解してつなげていく方法です。
私としてはチャンクを自分で作りながらの方が柔軟性のある英語が身につくと思いますが(
英語学習で「チャンク」が欠かせない理由)、大事なのは英文和訳などでやるようなまとめて読んでから訳すような方法をやらないということです。
つまり英語脳で
先に結論を言ってしまう言葉の構造に慣れるということです。
また、
ひとつひとつの単語や熟語が持っている意味を前後のつながりから理解するということです。
ついつい軽く見てしまいがちなtoやinなどの前置詞のイメージも大切にします。
たとえば、
He closed his eyes with a peaceful look.
彼は・~を閉じた・彼の・目を・~で・穏やかな・面持ちで
冠詞(
冠詞の役割とは?)についてはいちいち「ひとつの」とか「その」とつけるとうるさくなってしまうので
必要なとき以外は後ろの単語につけます。
ただ、
バラバラにしたままだとスピーキングやリスニングなどのときにかなり脳に負担がかかってしまい、情報処理が困難になるので自分が覚えやすい単位でまとめるといいでしょう(
英語学習に欠かせない「チャンク」を知っておこう)。
日本語訳で助詞の部分が重なったりしてしまうことについては
初めは少し違和感がありますが、
単語のつながりをわかりやすくするためにはあってもいいでしょう。
また自分で辞書で単語を調べても、
どれがその文章にあてはまる訳なのかを見つけ出すのはひと苦労するでしょう。
上の文でlookを面持ちと訳しましたが、
私が文脈上ふさわしいと思ってつけた訳なので、
あまり辞書には載っていないかもしれません。
あまり辞書の訳文に頼り切ってしまうとなかなか
英単語のセンスが身につきません。
どうやって辞書を調べてぴったりな日本語を見つけるのかということについては、
また別の機会にお話ししたいと思います。
このように文章の頭から英語を理解しようとする方法については、
『英語はインド式で学べ!』という本で詳しく紹介されています。
ひとつひとつの単語がその文章で伝えてくれようとしている意味を
ていねいに拾ってあげる作業は、きっと遠回りに見えて英語のセンスを磨く
近道なのではないでしょうか。