2015年8月18日火曜日

英語で、世界最長寿の猫コーデュロイくんから猫が長生きする秘訣を知る



こんにちはー、トレーナーどばしです。


今回はこの前ギネスに登録された長寿の猫のお話です。御年なんと26歳!どうしたら愛する猫が長生きしてくれるんでしょうか。



世界一ご高齢のコーデュロイくんのお姿はこちらです。いい顔をされています。












では、コーデュロイくんの長生きの「秘訣」を教えてくれる記事を読んでみましょう。





今回の英文(その1)



The secret has been allowing him to be a cat -- hunting and getting plenty of love!" Okura said, according to a Guinness statement. "Growing up on 160 acres in Oregon, I allowed Corduroy to roam the ranch freely, so he always gets lots of exercise."
Corduroy must have good genes: His brother, Batman, was Ashley's brother's cat, and that feline lived to be 19. But he also exercises and gets plenty of outdoor time.CNN HPより)




この英語、こう読む!


"The secret"

<「秘密」にひそむ「ひみつ」>

訳してしまえば「その(=猫が長生きする)秘密は」になりますが、もう少し細かいところを見ていっちゃいます。私たち日本人は"secret"=「秘密」と暗記しています。その「秘密」の意味というのは、「隠し事」という意味をなんとなくイメージしています。



今回の英文でも"secret"=「秘密」で合っているものの、わざと知られないようにしている「秘密」とはいくらかニュアンスが違うと思いませんか?飼い主のオクラさん、長寿の「秘密」を誰にも知られないようにしていたわけではないでしょうから。



この"the secret"の「秘密」はどちらかというと「秘訣」のニュアンスに近そうです。猫が長生きするための「秘訣」ですね。「秘密」にしても「秘訣」にしてもほとんど同じ意味になりますが、それは"secret"が「秘密」と同じように「隠し事」の使い方も「秘訣」の使い方もできるからなんです。



このひみつを知っているといないとでは、スピーキングに差が出ます。とってもちょぴっとだけだけど。

"allowing" 

<同じ「~させてあげる」でも意味が微妙に違う>

動名詞の形になっていますが、「~するのを認める」という意味になります。ただ、このままだと硬い日本語で、"I allowed him to play there"を「私は彼がそこで遊ぶのを認めた」というテストの答案のようなゴリゴリの訳になってしまいます。



オクラさんのことを私は全く知りませんが、たぶんインタビューだからってそんなしゃべり方をする人はあまりいないませんよね。相手が猫ということもあるので「~させてあげる」という感じでしょうか。



じゃあ、「~させてあげる」となると"let"と何が違うんだ!?



"let"は「邪魔しないから自由にしていいよ」という「~させてあげる」です。"Let it go”はありのままで、そのままでやっていくというニュアンスですね。



一方、"allow"は「やりたいことをやっていいよ」という権利を認める「~させてあげる」です。今回の分ならば、猫が猫として猫らしくある権利(?)を認めるというニュアンスです。



ranch” 

<でっかいぞう>

「大牧場」です。とくにアメリカやオーストラリアなどの、だだっ広い牧場で馬やら羊やら牛やらがのびのびと飼育されているところです。



この"ranch"に込められている「だだっぴろい」イメージが今回は大事なんです。Corduroyくんがストレスフリーの生活を送ってこられたのもその広さのおかげ。しかも、自然たっぷりな場所だからこそ猫本来の狩猟もできます。それらが長生きの秘訣としてあげられているんですね。




……、なかなか日本でこれを実践しようとすると難しいですね。北海道の猫は長生きするのでしょうか。でも猫もやっぱり広々したところの方が好きなのはなんとなくわかります。野生のエサも豊富でしょうし。



good gene” 

<訳語よりもイメージを大切に>

なんとなく意味はわかりますが、あまり日本語にはない表現の仕方ですよね。「良い遺伝子」。"good"を「良い」に固定してしまわないで、ざっくり「プラス評価」という意味の形容詞だと考えるともっと日本人の私たちにもしっくりきて使いやすくなるかもしれません。


feline”

 <「猫」の言い換え>

よく言われることですが、英語は言葉の重複を日本語よりも嫌う傾向にあります(まったくやらないわけではない)。文章の中で「世界」という意味の英単語を数種類使うこともあります。





同じように猫の話をするときに"cat"を言い換える言葉として使われるのが"feline"です。"cat"に比べると圧倒的にお目にかかることが少ない英単語です。「ネコ科」という意味がもともとなので、学問的な話で使われるイメージもあります。





「ネコ科」なのでfelineにはこれ↓とかも入ります。


これも↓feline











But" 

<何に対しての「しかし」?>

何に対しての「しかし」でしょうか?「しかし、たくさん運動をしていたし、外で過ごす時間が多かった」と言っているので、その前の"Corduroy must have good genes:"と対比しています。遺伝子の問題だけじゃないということを伝えようとしています。







全体訳

「(長生きの)秘密は猫らしくさせてあげてることだと思います―つまり、獲物を取ったりたっぷりの愛情をもらったりっていうことです!」というのがギネスに寄せられているオクラさんの言葉だ。「オレゴンにある160エーカーもの広さの中で、コーデュロイが行きたいところを自由に歩き回れるようにして育ててきました。だからいつも十分な運動をしているんですよ」

コーデュロイの遺伝子は優れているには違いない。兄のバットマンはアシュリーの兄弟が飼っていた猫だが、彼も19歳まで生きている。それでも、バットマンも運動をたくさんし、外で過ごす時間も多かったのだ。



今回の英文(その2)

"It's truly amazing to have picked Corduroy out from a litter when I was almost 7 years old and still have him in my life today," Okura said.
This isn't Corduroy's first time in the winner's circle . He was named oldest living cat in 2014 but was replaced by Tiffany Two, who lived to be 27 years, 2 months and 20 days. Corduroy reclaimed the title after Tiffany Two's passing.(CNN HPより)



この英語、こう読む!


"to have picked" 

<2つの文法事項が混ざってます>


過去のことについて話しているto不定詞になっています。オクラさんが何に驚いていたかというと、コーデュロイくんをごみの中から「つまみあげていたこと」を指します。






現在完了が使われていることで、"always""often"のような副詞がなくても、飼い始めのそのころから日常的にそういうことがあったことがわかります。1回や2回のことではなかったんですね。






よく袋の中に入る家ネコの動画なんかが人気になったりしますが、外に放っておくとごみの中に入りこんじゃうんですね。

"still have him" 

<省略されている文も空気を読んで察する>


動詞が省略されている文です。「今でもそうしている」ということなので、「ごみの中からつまみあげる」が省略されています。








普通の現在完了の文なので省略されている部分を埋めると、"I still have picked him out from a litter,"になります。


This" 

<「これ」にこだわってはダメよ>


「これ」と訳してしまうとどうしても「物」をイメージしてしまい、文章の中で迷子になってしまうことがあります。







日本語にすると「今回のこと」。ずいぶん長くなっちゃってますが、ギネスに登録されたことを指しています。







前の話の流れを受けての"this"は「そういうこと」「そんなこと」「このこと」などの日本語になりますので、会話の中ででもいちいち説明をしないで話を続けられるので便利ですね!


the winner's circle” 

<表彰のイメージを具体化する>

the winner's circle”は「競馬の勝馬やオーナーが表彰されるスペース」のことを指します。今回のコーデュロイくんと飼い主のオクラさんが表彰されている状況をもっと具体的にイメージしてもらうために競馬の勝ち馬が表彰される姿に例えています。








"the winner's circle"が競馬で使われる言葉なので、"win"に「勝利」「勝馬」という言葉を思い浮かべてしまいますが、猫の長生きに勝ったも負けたもないので、あまりそこに引きずられてしまわないほうがいいでしょう。








"win"には「受賞」という意味もあるし、飼い主と動物という状況が一緒だから、この文を書いた人はこの英語がふさわしいと選んだ言葉なのでしょう。







コーデュロイくんを見ると確かに勝馬のような堂々たる風格がありますし、ぴったりな表現ですね。



"was named" 

<その文だけじゃなく、前や後ろと合わせてパズルのように>


「名前」のイメージをもう少し広げて「名前を挙げられる」という意味があります。ギネス記録の話をしているので、「名を連ねる」というのもいいかもしれません。







と、言いたいところですが、意味としてはしっくりくるのですが、その後に"as"(~として)が無いことが気になります。"oldest living cat"は「名前」ではありません。








それに、この文章を書いている人は競馬の話を持って来たりしているので、もう少しウィットを利かせている気がします。









"name"には「任命する」「指名する」という意味もあるので、「世界でもっとも長寿の猫という肩書を拝命した」のように解釈すると筋が通りそうです。訳文はわざと仰々しくしちゃいました。その後の文で出てくる"reclaim the title"(その肩書きをまた求める)という言葉ともつながります。



passing” 

<配慮した言葉選びを英語でもしたいですね>


「通り過ぎる」というイメージの"pass"を、今回は遠回しな表現として「死」の意味として使っています。やはり死に対する感情というのは国や文化が違っても一緒なんですね。







とくに長生きした猫ということはそれこそ家族同然。だから直接的な"death"という言葉を避けたのでしょう。








ネイティブの人と話すときにも、こうした言葉で相手を気遣うような言葉を選べたら相手にもいい印象を持ってもらえるはずです。







全体訳


「私がだいたい7歳くらいのころ、コーデュロイをごみの中から引っ張り上げたときには本当にびっくりしましたよ。今でも日常的にあるんですけどね」とオクラさんは語る。

コーデュロイが人に囲まれて表彰の場に立ったのはこれが初めてではない。2014年に世界最長寿という肩書を拝命しているが、あと2カ月20日で27歳というところまでの長さを生きたティファニー2にその座を明け渡している。コーデュロイはティファニー2がこの世を去ってから再びその最長寿の申請をしたのだ。



英文を自分でチャンクにしてみるとさらに効果があると思います。お試しください。英語学習にチャンクが欠かせない理由とは?



その他にもコーデュロイくんはチェダーチーズが好きなのだとか。
ではでは、今回はここまでですー。

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英日産業翻訳者です。IT系やスポーツ関連商品などの企業コンテンツ、コミュニケーションやゲームのアプリの翻訳やレビュー、品質管理をしています。 2020年に東京から和歌山に移住しました。時間ができると、美味しいものやきれいな景色、由緒あるスポット、面白いイベントを求めて、折りたたみ自転車でふらふらと出かけていきます。

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