こんにちはー、トレーナーどばしです。
いま宇宙ステーションISSで日本人宇宙飛行士の油井亀美也さんが活動されています。そんななか、ISSの中でレタスを食べたというニュースが報じられました。
どうして宇宙でレタス?と思いませんか。そんな疑問にTIMEのサイトが答えを教えてくれていました。
ちょっと抜粋しても長いので今回は2つに分けてお送りいたします。
今回の英文(その1)
During
longer trips into deep space—particularly to Mars—NASA knows that
fresh produce is not only good for the crew’s physical health, but
also for their mental well-being, giving them a comforting taste of
home. That means growing the crops onboard.(TIME HPより)
全体訳
もっと長い宇宙空間への飛行の間ともなると―特に火星に向けて―NASAは新鮮な農産物の効果がクルーの身体の健康だけにとどまらないことを知っている。それだけでなく、精神的にもいい効果があるのだ。それはクルーたちが我が家にいるような心地よさをちょっとだけ味わえるところにある。だからこそ船内備え付けで作物を育てるからだ。
この英語、こう読む!
◎”deep
space”
直訳すると、「深い宇宙」となり、日本語の「深宇宙」とも訳されますが、英語でdeep
spaceと出てくるときには必ずるか遠い宇宙というわけじゃないんです。次の文で火星が例にあがっていますし。
今回のdeep
spaceは「大気圏外」です。そう、つまり宇宙全部です。ただ、宇宙飛行の話題で考えたとき、人類にとって一番遠くまで行ったのは月なので、それよりもdeepな宇宙という意味で言っているようです。ISSのある地上400kmよりもdeep spaceということでしょう。
でも、太陽系の外をdeep
spaceと言うこともあるので、そのときどきで遠く感じる宇宙の範囲、なんでしょう。
◎”produce”
ご存じのとおり"produce"は「提供する」という意味で使われることがほとんどです。でも今回は「農作物」という意味。
あとで"crops"という単語が出てきますが、農作物という意味の英単語ではこちらの方がメジャーです。produceの方にはさらに「畑でつくった」というプロセスがすでに含まれているイメージがあります。
宇宙飛行士の人たちが自分で育てているからこそ、このproduceを使ったのかもしれませんね。しかし、宇宙で農作物というのが英語にしても日本語にしてもしっくりこないですが、そのうち当たり前の時代がくるのでしょう。
◎”physical
health"
日本語でも「健康」と普通に言ったら体の健康のことを指して言いますが、それは英語でも一緒です。
それが、わざわざ「身体的」「体の」という"physical"が出てきています。そうです、この後の文でphysicalではない、"mental"の部分が書かれています。文の流れを教えてくれるphysicalです。
◎”well-being”
直訳すると「よい状態」になります。健康状態がいいだけでなく、ハッピーな状態を表す名詞です。ニコニコマークです。
◎”onboard”
基本的には乗り物に「乗っている」という形容詞なのですが、文章の最後に来ているのでどうやらストレートにそういう意味ではなさそうです。
onboardには別の意味もあり、パソコン用語の「オンボード」という使い方もあります。マザーボードに直接つけられた状態で提供されるデバイスなどのことを言いますが、どうやらISSに備えつけられている状態をこれにたとえているようです。
それに、もしかしたらそれが宇宙船だから「乗っている」という意味もかかっているのかもしれません。考えすぎかもしれません。考えすぎだったらごめんなさい・・・。
今回の英文(その2)
There
is one more reason to keep a garden running in space—and that
explains why there are other pillows containing zinnia seeds aboard.
The flowers are edible, yes, but they’re also beautiful and
colorful and fun to tend. Gardening is a very earthly grace note and
has long been thought of as a relaxing and satisfying way for
astronauts to keep themselves busy on long-duration missions that can
quickly settle into repetitiveness and drudgery.(TIME HPより)
全体訳
宇宙で菜園を管理していく理由はもう一つある。その理由がほかに百日草の種を乗せている台がある意味を教えてくれる。この花も食用ではある。その通り。しかしきれいで華やかな百日草を世話する楽しみもある。ガーデニングはおおいなる地球にとっての装飾音符。長期にわたるミッションの数々をせわしなくこなしていく宇宙飛行士たちが安らぎ、充実した気分になれる方法だと考えられている。また、ガーデニングは同じことの反復と単調な作業にすぐ慣れる役割もする。
この英語、こう読む!
◎"keep
a garden running"
受験英語で聞くことがある"keep
~ing"で、「~し続ける」です。そして"run"の主な使い方の1つで、「管理する、運営する」という意味になります。
会社を経営するというときによくrunを使います。細かく見るとrunもいろいろな意味がありますが、全体として「流れている」「流す」という流線のイメージなんですね。
◎”explain”
”explain”「説明する」と私たちはよく覚えますが、必ずしも説明する主語が人間とは限らないのが英語です。なんとなく意味はわかるけど、日本語にしづらい英語です。以前にもexplainの理由を含んだ使い方がありましたが「~の理由になっている」「だから~である」というニュアンスになります。
言語学者の池上嘉彦さんのおっしゃる、英語は原因と結果がはっきりした「する」言語、日本語は状況が重視される「なる」言語というのがよくわかる例ですねぇ。
宇宙でガーデニングをするという理由がそのあとに書かれています。
◎”pillow”
「ピロー」こと「枕」の意味がほとんどですが、今回は違うようです。「台」や「基部」といった意味です。のっていない辞書もけっこうあるかもしれません。
わざわざあまり使わない意味でのpillowを持ってきたのは、"bord"という言葉があちこちに入っているから過度の重複を避けたのかもしれません。
◎”edible”
「食用の」「食べられる」という形容詞です。食べても体に毒はないという食用です。
◎”tend”
受験などでは"tend
to"で「~の傾向がある」という意味で覚える英単語です。今回は"care"と同じ意味です。「世話をする」「面倒をみる」。
◎”Gardening
is a very earthly grace note”
この文章はかなり凝った一文とお見受けします。できるだけ冗長な言い回しを避けて、詩的な効果を狙った文章のようです。"very"と"earthly"も韻を踏んでいます。
前置詞を使わないようにすることで、説明口調にならず読み手の想像を膨らませます。具体的にどういうことかはそれ以降の文章で説明はしていますが、装飾音符という言葉に端的に「無くても本当には困らない。でもあることで大きなプラスになっている」というニュアンスが感じられます。また、veryがついているので「まさにこれこそ」という気持ちが込められています。
earthlyという「地球上で」を意味する英単語を入れているのも、宇宙船での話をより印象づけています。宇宙でこそ地球の恵みが与えてくれる影響の大きさを伝えたいのではないでしょうか。
◎”repetitiveness
and drudgery"
直訳すると「反復と単調な作業」となります。この日本語でも「あぁ、そんな面白そうなものではないんだな」と想像できます。"repetitiveness"にも"drudgery"にも、両方に「退屈な」イメージが含まれています。
華やかな印象を受ける宇宙飛行士だけど、実際に行っている作業などは地道でそんな面白いことをしているわけじゃない、ということを伝えたいんでしょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿