2015年7月15日水曜日

"change"と"turn"の「変わる」はどう違う?その他、”ordinary"や"subterranean"の使い方についてなど。

こんにちはー、トレーナーどばしです。




今回はロンドンの地下の世界に焦点を当てた本を紹介したいと思います。人々が行きかう賑やかな上とはまったく異なる暗いトンネルの中はどんな人、生き物が生きてきたのでしょうか。




本のタイトルは”London Under”で、著者はPeter Ackroydです。





今回の英文



The subterranean world can be a place of fantasy, therefore, where the ordinary conditions of living are turned upside down. In the nineteeth century it was seen as a sanctuary for criminals, for smugglers, and for what were known as 'night wanderers'; the cellars and tunnels beneath the ground were described as 'hidden haunts of vice' populated by 'the wild tribes of London' or the 'City Arabs'.




英文の音声再生はこちらからどうぞ。"Say it"ボタンを押すと、上の文をしゃべってくれます。








全体訳



地下世界というものは、想像の場になりやすい。だからそこでは生活も普通の状態が根底から覆されることになる。19世紀のころ、地下世界は犯罪者や密輸業者にとって格好の隠れ場所になっていた。どうして彼らのことが広まったのかはわからないが、「夜の彷徨者たち」として知られていた。また、地表より下に造られる倉庫やトンネルは「悪の隠れ家」と言われ、「ロンドンの荒くれ民族」や「シティ・アラブ」たちがたくさん住んでいた。







この英語、こう使おう!


  • ”subterranean”にはただ「地下の」という意味に加えて、「秘密裏に」といったニュアンスもあります。日本語の「水面下」のように、表立っては見えないことを指す形容詞です。

  • ”therefore”は論理的な話の展開に使う副詞で、その前の文を受けて、「だから」「その結果」というふうに次の文章をつなげます。今回ならば、地下の世界は想像の場である、「その結果」、生き物のありようも普段とはぜんぜん違うものになる、ということですね。

  • ”ordinary”は「ふつうの」という形容詞で、今回はふつうじゃない世界を主題にして話しているので文字通りの意味ですが、「面白みのない」というニュアンスを含んだ意味にもなります。日本語でも「ふつうだね」といったら場合によっては同じようなニュアンスになりますね。

  • 今回の”living”は名詞として使われています。「生き方」「生活のあり方」といった意味です。

  • ”turn”は”change(変わる)”にもう少し新たなニュアンスが加わり、「がらりと変わる」といった感じになります。それまでと方向性がまったく変わる様子を細かく表したいときに使える動詞ですね。(「~になる」のgetやbe+過去分詞、becomeの違いは?

  • ”upside down”は”Rain: A Natural and Cultural History”の回にも出てきた形容詞ですが、今回は比ゆ的な表現で、「秩序がなくなった」という意味になっています。

  • 名詞の”sanctuary”は日本語でも野生動物などを保護する「サンクチュアリ」という言葉が使われますが、今回はそれを広げた意味で「安全が保障されていて、追手が来ない場所」という使い方をしています。

  • ”criminal”は形容詞としても使えますが、今回は「犯罪者」という名詞です。

  • 違法に輸出入を行う「密輸をする人」、という名詞が”smuggler”です。

  • ”for what”は「どうしてだか」という意味で副詞的に使うことができます。

  • ”wanderer”は「あてどなく歩いている人」のことを指す名詞です。住む家もない「根無し草」のような意味にもなります。

  • ”cellar”は名詞で、ワインセラーのcellarです。地下倉庫ですね。

  • tunnelの話が出た回がありますので、よかったらそちらも参考にどうぞ。トンネルが「伸びる」はどんな英語になるのか、といったことがわかります。

  • ”describe”は「説明する」なんて日本語があてられる動詞ですが、どちらかというと「特徴などについて」の”say”と言った感じでしょうか。説明する、というほど硬くはなく、特徴について言うというその限定的な「言う」にdescribeのイメージがあるようです。

  • ”haunt”は「たまり場」といった意味の名詞で、よく訪れる場所のことを言います。

  • ”vice”はざっくり「悪、悪行」といった意味にもなる名詞ですが、「性犯罪」や「薬物」といった具体的なイメージを含むこともあります。

  • ”populated”は副詞的に使っていて、「たくさんの人によって住み着かれた」といった意味になります。



このような単語のイメージを持ちながら、音読を10回しましょう。

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運営者紹介

英日産業翻訳者です。IT系やスポーツ関連商品などの企業コンテンツ、コミュニケーションやゲームのアプリの翻訳やレビュー、品質管理をしています。 2020年に東京から和歌山に移住しました。時間ができると、美味しいものやきれいな景色、由緒あるスポット、面白いイベントを求めて、折りたたみ自転車でふらふらと出かけていきます。

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