今回は"get"というよく知られた単語のあまりちゃんと知られていない使い方にスポットライトを当てたいと思います。それは「~になる」や「なっちゃった」、「~れた」という日本語に近い便利なニュアンスです。受動態のbe+過去分詞やbecomeではカバーできないところを表現できるgetの意味をご紹介します。
- 「~になる」「~される」という意味のget
- be+過去分詞やbecomeとの違い
- getに名詞をくっつけて「~してもらう」という使い方はあるのか?
「~になる」「~される」という意味のget
getといえば、やはり「得る」とか「手に入れる」といった意味がぱっと頭に思い浮かぶと思います。これは以前に書いた状態動詞と動作動詞の分類にすると、動作動詞になります(状態動詞と動作動詞とはどういうものか?)。
しかし、ネイティブがよく使う表現として、getに「~になる」や受動態の意味を含ませたものがあります。OXford Learner's Dictionariesにはgetの意味の真ん中あたりにこの使い方が説明されています。
'to reach a particular state or condition; to make somebody/something/yourself reach a particular state or condition '
「ある特定の状態や状況にたどり着くこと:誰か、何か、自分自身をある特定の状態や状況にすること」
どこかに到着する意味での"get to"がありますが、これにもやはり上のような使い方もします。こうなると動作動詞というよりは状態動詞といった方がいい気がします。getは両方を併せ持つ動詞なんですね。workにも似たような顔があります(”work"の「うまくいく」は会話に便利)。
実際の使い方を見てみると、
get known for
で「~に知られた」、「有名になる」といった意味になります(「知る」に当たる英語は"know"だけじゃにない)。
ネイティブもどうやらこうした使い方をよくするようになっているようで、『ネイティブが使う英語・避ける英語』でもbecome old よりもget oldの方がかなり一般的になっていると説明しています。
be+過去分詞やbecomeとの違い
ではbe+過去分詞やbecomeとは何が違うのでしょうか。まとめると次のようになります。
- くだけた口調
- 感情を含んでいる
- 短期的なニュアンス
まず、何よりもgetという単語は日常会話でよく使われる単語なので、くだけた言い方になります。
そして、be+過去分詞は単純に「~になる」「~された」という意味だけがニュートラルに表現されますが、getと形容詞や過去分詞になるとネガティブかポジティブな感情が含まれてきます。
否定的と肯定的が両方あり得るというのは筋が通らないように感じられますが、そこにぴったりくるのが「~ちゃった」という日本語です。
さきほどの例を文章にしてみて、
"I got known for everyone in the country"
「この国じゃ知らない人がいないくらいになっちゃったな」
はどうでしょうか。自慢に聞こえるのでポジティブな意味の発言かもしれません。でもこの人が指名手配犯だったらネガティブな発言の可能性が高いですよね。
というところでbe+過去分詞や受動態の状況説明的な文章よりも話し手の感情が何か込められることになります。
また、becomeは変化がずっと続く永続的な状況に使い、getは一時的な状況に使います。変化の仕方もbecomeは徐々になっていくのに対し、getは短期間という違いがあります。同じ状態動詞ですが、becomeは継続動詞でgetは瞬間動詞なんですね(瞬間動詞と継続動詞のイメージをつかもう)。
getに名詞をくっつけて「~してもらう」という使い方はあるのか?
最後に、getと形容詞あるいは過去分詞の組み合わせで説明してきましたが、名詞と組み合わせてhaveの「~してもらう」のような使い方(使役動詞)はできるのでしょうか。
基本的にはあまりないようです。ただ、先ほどの『ネイティブが使う英語・避ける英語』では「髪を切ってもらった」を英語にする場合、"I get a haircut"という表現をよく使うそうなのでこれに限っては大丈夫なようです。
説明にいくつも品詞が出てきましたが、なんとなく品詞を意識するときっと英語上達も早まると思います(英語を勉強するのに品詞を活用した方がいい理由)。
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