今回のロンドンの本は、市内にある100カ所の建築物の歴史を振り返る1冊です。歴史的建造物を愛するイギリスを表すような本です。
タイトルは”A History of London in 100 Places”で、著者はDavid Longです。
前回はロンドンの時代小説のローマ時代について書かれている部分を取り上げましたが、今回はそのローマ時代に今のロンドンの基礎となるロンディニウムに築かれたロンドン・ウォールについての説明です。場所はタワーヒル駅の近くです。
今回の英語
Militarily the early trading post had been of little importance, but following the carnage of Boudicca's ferocious onslaught - Tacitus tells of literally thousands being 'massacred, hanged, burned and crucified' - a fortress was built in the north-western part of the city that we call Cripplegate. Later. in the third century, a defensive wall was thrown up around the remainder.
全体訳
早い時期から交易の拠点になっていたこの場所も、軍事的にはそれほど重要ではなかったが、ブーディカが熾烈な猛攻で大虐殺―タキトゥスの記述によれば実に何千人もの人が『殺戮され、首をつるされ、焼かれ、責めさいなまれた』という―を行って以降、シティの北西部に要塞が築かれた。そこが今現在私たちがクリップルゲートと呼んでいる場所である。3世紀の終わり、その遺構のところに防壁が急造された。
この英語、こう使おう!
- 副詞が使えるようになると、表現の幅がぐんと広がります。”militarily”(軍事的な観点では)は”the early trading post”を説明しています。1つの単語で単語のカタマリをいっぺんに修飾できるので副詞は便利です。
- “post”は物流や経済の歴史について話している中で使えば、それだけで「交易所」という意味になります。しかし今回の文章のテーマは軍事的な話をしているので、丁寧に”trading post”と言っています。軍事的な話の中でただpostと言ってしまうと、「配属地」という意味になってしまうのでそれを避けたのでしょう。
- ”little”は「小さい」という使い方はすぐできるものですが、「たいして~ではない」という使い方はちょっと慣れが必要です。今回は”importance”を説明する使い方になっていますが、そうでなくても「あまりたいしたものではない」というニュアンスが含まれています。日本語の「たいして」とか「それほど」にあるニュアンスと同じです。
- 日本人にとってなかなかしっくりこない表現が今回のような”動詞 + of + 名詞”の言い回しです。別に今回も”the early trading post had been little important”と言っても構わないのですが、”of little importance”とすることで、ちょっとかしこまった感じにできます。格調を高くしたいときに使うので、リスニングやリーディングのときにもこうした使い方をするという意識を持っておくとスムーズに理解できます。
- ”following”は「~より後では」という使い方ができます。形容詞として使うので、日本語とは逆に「~」にあたる英単語の前にもってきます。今回で言えば、”the carnage”の前です。
- 多くの人を残虐に殺すことが”carnage”という英語になります。
- “ferocious”を「熾烈な」という日本語に私はしましたが、そもそも日常で「熾烈な」という日本語を使う場面があまりないので、そうなるとこの単語が意識に上ってくることはさらになくなってしまいます。「攻撃的で勢いがあり、さらに暴力性がある状態」だというイメージを覚えておきましょう。
- “onslaught”もferociousとイメージはほとんど同じですが、実際の攻撃を指しますので、攻撃「的」ではありません。激しく暴力的な攻撃です。
- “tell of”もやはり”tell about”よりもかしこまった言い方になります。「~について述べている」という感じに近いでしょうか。
- ”literally”は日本語で「実に」としました。そこには驚きを強調しようとしている気持ちが込められています。なのでこの副詞はこれより後の文を修飾しています。
- 「残忍は方法で大量の人を殺す」という動詞を”massacre”と言います。名詞と動詞の違いを抜きにして、massacreはcarnageよりもその残忍な様子が強調されます。
- ”fortress”は「要塞」と訳される通り、「頑丈で防衛に強い」イメージの「砦」になります。
- “throw up”は「ぽいぽいっと積み上げてつくる」イメージです。
- ”remainder”は”rest(残り)”と意味としてはほぼ一緒ですが、やはりかしこまった感じになります。残りではなく「残余」、残されたものではなく「遺物」と言った感じでしょうか。
そんなことをイメージしながら音読を10回しましょう。
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