昔からロンドンという町には魅力があったんですね。それではそんなロンドンで1日1個やることを教えてくれる本を紹介したいと思います。
タイトルは”Tired of London, Tired of Life:One thing A day To Do in London”で、著者はTom Jonesです。
このタイトルは、18世紀の文学者、サミュエル・ジョンソンの”When a man is tired of London, he is tired of life.(ロンドンに飽きた人とは、すなわち人生に飽きた人だ)”という言葉からきています。
それでは、1月11日のすることを見てみましょう。
今回の英文
Experience a London fog
Evelyn Waugh wrote of London that 'We designed a city which was meant to be seen in a fog', and although the deadly pea-soupers of Victorian London are a thing of the past, London is still at its most atmospheric on foggy days.
There is something particularly special about the fog which hangs low over the city on a cold day, obscuring well-known landmarks and giving the capital a mysterious air.
Evelyn Waugh wrote of London that 'We designed a city which was meant to be seen in a fog', and although the deadly pea-soupers of Victorian London are a thing of the past, London is still at its most atmospheric on foggy days.
There is something particularly special about the fog which hangs low over the city on a cold day, obscuring well-known landmarks and giving the capital a mysterious air.
※英文の読み上げにはtext-to-speechをご利用ください。
全体訳
ロンドンの濃霧を味わう
イーブリン・ウォーはロンドンについてこう書いている。「私たちが考案した都市とは、霧の中で見られることを前提としている」。まあ、ビクトリア時代のロンドンのような命までも危険にさらす黄色の濃霧はさすがに過去の話だが、ロンドンは今も霧がかってかすんでいる日が多い。
寒い日には、この町に低く漂うきわめて特別な霧が見られる。有名な建物などをすっぽり覆いつくし、首都の町は神秘的な雰囲気をまとう。
イーブリン・ウォーはロンドンについてこう書いている。「私たちが考案した都市とは、霧の中で見られることを前提としている」。まあ、ビクトリア時代のロンドンのような命までも危険にさらす黄色の濃霧はさすがに過去の話だが、ロンドンは今も霧がかってかすんでいる日が多い。
寒い日には、この町に低く漂うきわめて特別な霧が見られる。有名な建物などをすっぽり覆いつくし、首都の町は神秘的な雰囲気をまとう。
この英語、こう使おう!
- "experienece"は”London’s Afternoon Teas”の回を参考にどうぞ!
- “design”は”In Search of Lost Frog”の回でどんなイメージの言葉か取り上げました。参考にしてみてください。今回は都市をdesignなのでよく使われる「設計する」という意味で大丈夫そうです。
- ”mean”はよく「意味する」というニュアンスで使われますが、今回はもう少しアクティブな意味を持っている「意図する」「~なつもりでする」というはっきりとした意志を感じさせる使い方です。”to be seen”が後にくっついていることで、「見られるつもりで」という感じになります。
- 今回の”fog”、よく聞く”mist”、そして以前出てきた”frost”の違いは大丈夫でしょうか。地面近くまで降りてきている雲(cloud)がfogとmistです。mistがより濃くなって視界が悪くなったのがfog、濃霧です。
- ”deadly”は”dead”が入っているのでイメージしやすいかもしれません。「死を引き起こすような」「死を招くような」という命にかかわるような状態です。「ひどく」「まったく」や「つまらない」という意味でも使えますが、今回のように大気汚染とのつながりで使う場合には直接的な死をイメージさせる意味になります。
- ”pea-souper”はしゃべり言葉で「黄色くて濃い霧」という意味になります。そのままビクトリア時代のロンドンの大気汚染を思わせる言葉でもあります。また、現代のとくにひどかった1952年のロンドンの大気汚染も連想させるようです。ただ、この言葉はフランス系カナダ人に対する差別的な意味があったり、souperはアイルランドが飢饉のときにプロテスタントへ改宗させる代わりに出した食事というあまりよくないイメージがあるので、要注意です。
- ときどき出てくる”Victorian”ですが、これはビクトリア女王の統治時代を指します。具体的には1831年から1901年まで。日本の江戸時代後期から明治時代中期にかけてですね。
- ”a thing of the past”で、もうすでに過ぎ去った「過去のこと」というニュアンスやもっと行くと「時代遅れのこと」というニュアンスがあります。話の流れで自虐にもなるし皮肉にもなる言葉です。"old-fashioned(古臭い)"に近い感じかもしれません。
- ”atmospheric”はそのまま直接的な大気の話をするときにはいい意味もなにもありませんが、ムードのようなことを言う流れで使うと「雰囲気のある」といった気分の上がる状態を指します。
- ”foggy”はfogが原因で見通しが悪い状態ですね。
- ”particularly ”はまさに日本語の「特に」の使い方でいいでしょう。強調したいときや限定したいとき、普通とは違うときになど、汎用性の高い言葉です。
- “hang over”はmistやfog、cloudなどと相性がいい、コロケーションと言えるでしょう。overなので広い範囲に立ち込めている、そしていくらか空気の流れが見える「漂って」いる感じがでます。今回は”low”が間に入っているので低く張り出している様子がわかります。
- “obscure”は形容詞としての「あいまいな」ぼやけた感じがなじみ深いかもしれませんが、ingがついているように動詞としての使い方に近いです。なので「ぼやけさせる」などのように状態であったものが作用を加える意味になっていますね。
- ”well-known”は”famous”とほとんど同じです。もう少し平易な言い方かもしれません。「よく知られている」というニュアンスですね。
- 今回はwell-knownとセットになっているので、いくらか”landmark”の元の意味にかぶせて「多くの人が知っていて目につく建物」というニュアンスのようです。landmarkは目印になる建物だったり、史跡だったりします。
- “air”はやっぱり「空気」ではなさそうです。atmosphereに近い「雰囲気」や「空気感」といったニュアンスです。well-knownとfamousもそうですが、こうした近い言葉を持っていると、しゃべろうとしてどちらかが思い出せないときに言いかえられますし、文章を書くときに同じ単語が何度も出てくるのを防ぐことができます。
それではそれぞれの英語のニュアンスをイメージしながら、音読を10回しましょう。
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