2023年5月5日金曜日

大谷翔平選手ベーブ・ルースの記録をまたも更新!で英語学習

 


5月4日(現地3日)にWBCでともに戦った大谷選手とヌートバー選手の対決で盛り上がりましたね!結果は3打席連続三振と大谷選手に軍配が上がりましたが、次回の勝負がまた楽しみです。

では今回の英文です。


Shohei Ohtani is still channeling Babe Ruth. They are the only players in AL/NL history to notch 500+ Ks as a pitcher and 100+ HR as a hitter.


つぎに音読用のフォニックス・シラブルです。

Sho hei Oh tani ɪz stɪl ˈʧæ nə lɪŋ beɪb ruθ. ðeɪ ɑr ði ˈoʊn li ˈpleɪ ərz ɪn  ə ˈmɛ rə kən liɡ / ˈnæ ʃə nəl liɡ ˈhɪs təri tu nɑʧ faɪv ˈhʌn drədz + Ks æz ə ˈpɪ ʧər ænd wʌn ˈhʌn drəd + hoʊm ˈrʌn æz ə ˈhɪtər.



単語などの説明です。

・channeling…「チャンネル」のchannelです。今回は「切り開く」という意味が近いでしょうか。

・AL…American Leagueの略語。15チームが所属しています。

・NL…National Leagueの略語。やっぱり15チームが所属しています。

・notch…記録や成果を「収める」「残す」という意味で使われています。


最後に日本語訳です。

大谷翔平選手がベーブ・ルースの記録をまたも更新した。アメリカンリーグとナショナルリーグの歴史上、投手として500個以上の奪三振、打者として100本以上のホームランを記録した選手はこの2人しかいない。


これからの記録がさらに楽しみですね!それではまた!



 

2021年11月22日月曜日

アパルトヘイト撤廃のもう一人の立役者についての英文を深堀り!

 ネルソン・マンデラの陰に隠れた男、デクラーク Web版アルジャジーラ11/14より




短い英文をじっくり精査して理解を深める「深掘り!」シリーズ。今回は中東のテレビ局アルジャジーラのWeb版の社説記事からピックアップします。


記事を作成したのは南アフリカのライターでコメンテーターのSisonke Msimangさん(@Sisonkemsimang)。ザンビアに生まれ、家族とともにケニア、カナダと移住をしたMsimangさんはさまざまな人種差別を経験します。理想の社会を求めてアパルトヘイトの撤廃された南アフリカに移り住むも、新規勢力の政治に希望を打ち砕かれます。そんな半生を自ら綴った"Always Another Country"(2018)はニューヨークタイムズ誌のStaff Favorite of 2018を始めとしてさまざまな賞を受賞しています。





TEDにも登壇しているので、こちらもどうぞ!








お待たせしました!今回の文章はアパルトヘイト時代最後の白人大統領フレデリック・ウィレム・デクラーク氏について書いたものです。ネルソン・マンデラ氏を釈放し、人種隔離政策を実質的に終わらせたデクラーク氏は1993年にノーベル平和賞を受賞しています。

しかし、国際的な評価とは対照的に、南アフリカ国内ではマンデラ氏のような英雄視はされていないようです。Msimangさんはデクラークという人物の実像に光を当て、その理由を明らかにしていきます。それでは記事を見ていきましょう!


"De Klerk was merely a footnote in South African history", by Sisonke Msimang

On Thursday₁, apartheid’s last leader, Frederik Willem de Klerk, died₂, sparking a national conversation₃ among South Africans about his life and legacy₄.

「木曜日、アパルトヘイト時代最後の指導者、フレデリック・ウィレム・デクラーク氏が死去した。デクラーク氏の生涯と彼が遺したものとは。南アフリカ国中の人々の間でその話題が持ちきりとなった。」

1.英語では日時に関する言葉は通常、文末に置かれることが多いですが、ここでは文頭に出てきています。つい最近起きた印象的な出来事であることを伝えています。
2.「木曜に、アパルトヘイト最後の指導者、フレデリック・ウィレム・デクラーク氏が、死去した」とカンマで区切られています。彼の死が大きな衝撃を与えるニュースであるという事実を表現しています。
3.sparkは火花が散るという意味。突如として脚光を浴びるようになった状態を表現しています。しかも、nationalなので南アフリカ全国で急に話題になった様子がわかります。また、a national conversationと不定詞のaがついているので、何か具体的な内容が特に話の中心になっているようです。
4.その内容とは、どうやらデクラーク氏の人生と、政治家として国に残したものに関するもの。legacyは「遺産」という訳がもっともよく当てられますが、日本語と同じく法的な財産などの形あるものだけではなく、制度や教え、文化など無形のものにも使われます。


Praise and support for De Klerk – who was South Africa’s president during its transition from white minority rule to democracy₁  – has been muted in the country₂, not simply because of his association with apartheid, but because of his many shortcomings as a statesman₃.

「少数派である白人による統治から民主主義への移行期に南アフリカ大統領を務めたデクラーク氏だったが、表立って称賛と支持が送られることはなかった。その原因はただアパルトヘイトを推進していた党に属していたというだけではない。デクラーク氏は指導者として持つべき資質がいくつも欠けていたのだ。」

1.democracyという語に対してminority ruleという語を並べ、白人による支配的政治が行われていた事実を強調しています。
2.カタカナ語で「ミュート」という日本語になっているmuted。デクラーク氏の業績は認めているはずなのに、国内のどこに行っても彼を称える声が聞かれず、国民は沈黙していたことがわかります。それが彼の死を機に堰を切ったように人々の間で語られるようになったのです。
3.おなじみのnot only...but also...の構文の仲間です。because ofが対になっているのでさらに明確に対比されています。shortcomingは一般的なlackよりも、特に能力や状態、思想において問題があったり欠陥があるときに使われます。前にある形容詞がmanyでshortcomingも複数形になっています。つまり漠然とした欠点ではなく、欠けているポイントを具体的に一つひとつ列挙するイメージです。statesmanは単なる政治家ではなく、閣僚や指導者など、行政機関の一員として実質的に関わる人です。この後の文章に出てきますが、大統領時代だけでなく、マンデラ政権時代も含めて言及しているのでstatesmanという語を使っているのでしょう。


In the words of Archbishop Desmond Tutu₁, “Mr. De Klerk could have gone down in history₂ as a truly great South African statesman, but he eroded his stature and became a small man3, lacking magnanimity and generosity₄ of spirit.”

「デズモンド・ムピロ・ツツ氏は次のような言葉を残している。『デクラークさんは南アフリカの歴史において偉大なる指導者として名を刻んでもおかしくないはずだった。それが自らの声望を少しずつ損ない続け、寛大と寛容の心に欠いた小人になり下がっていったのだ。」

1.デズモンド・ムピロ・ツツ氏は反アパルトヘイトの社会活動にも参加した南アフリカの聖公会牧師です。1984年にノーベル平和賞を受賞し、現在90歳(2021年11月現在)。
2.基本的な英語を使用した句動詞はそれぞれがカバーする意味が広く、便利に使うことができますが、リスニングやリーディングではその守備範囲の広さゆえに、意味を絞る作業が必要です。goとdownの組み合わせなので、辞書では「下りる(下がる)」「降りる」「沈む」などの意味が上位に並びますが、この文脈に当てはめるには不正確です。この文では「記憶に残る」という意味がぴったりでしょう。日本語だけだとgo downのイメージとずれているように感じられますが、年表の中で時代が進んで下の方に向かっても、忘れ去られずに残る様子を想像すると、イメージと一致するのではないでしょうか。
3.実際に背が縮んだのではなく(年齢によって身長が低くなっていたかもしれませんが)、心が狭量になっていった様子を示しています。上述したlegacyと同じです。
4.このように類語の形容詞をandで並列する形はよく見られます。Oxford Learner's Dictionaryによると、magnanimityは「behaviour that is kind, generous and forgiving, especially towards an enemy or competitor」とあります。敵対する人物に対して度量の広い様を表しています。一方、generosityは「the fact of being generous (= willing to do kind things or give somebody money, gifts or time freely)」とあり、積極的に善意を行う様子のようです。英和辞書もそうですが、英語のイメージをより具体的に理解するのに、実はカッコの中の文章が大切です。the fact of being generousだけではほとんどgenerosityの言い換えですが、willing to do kind things...によって使われる場面がはっきりします。


During his presidency (1989-1994) and his time as deputy₁-president to Nelson Mandela (1994-1996), De Klerk had an opportunity to shape the views of his white compatriots, elevate the voices of Black South Africans, and play a leading role in building a democratic South Africa. Instead, he repeatedly chose to equivocate and lie during his time in political power. Instead of reckoning with the past, De Klerk and the white politicians he led, tried to dodge it. As a result, De Klerk became a historical footnote₆.

「大統領在任時代(1989~1994)およびネルソン・マンデラ政権下の副大統領時代(1994~1996)において、デクラーク氏は同胞である白人の意見をまとめ、南アフリカの黒人層の声を拡大し、この国の民主主義の確立を牽引する役割を担うことができる立場にあった。ところが彼は政権の中にいる間、言を左右にし、嘘をつく行為をする方を何度も選んだ。デクラーク氏や彼に従った白人政治家たちは過去を清算することなく、それを避けるべく行動していた。それがゆえにデクラーク氏は歴史の中で付記のような存在になってしまったのだ。」

1.vice-presidentという言葉の方がよく使われますが、deputyには次席の意味に加え、大統領や社長が不在時に代行を務める「代理」意味も含まれます。
2.compatriotは「同国人、同胞」という意味。アパルトヘイト時代に南アフリカが分断されていた様子がわかります。
3.white compatriotの世界に対する存在として黒人社会を並べています。
4.equivocateは事実などを隠すためにあえて曖昧な言葉を使うというイメージです。白人と黒人それぞれの立場における意見を明確にし、それらを調整できる立場にあったのに、それをしなかった。むしろあえて避けていたデクラーク氏の姿勢を批判的に記述しています。
5.前の文と同じinsteadを並べ、権力を持つ側にいた政治家として本来行うべきこととは対照的な行動を取っていた姿を強調しています。
6.この記事のタイトルにも使われているキーワードです。南アフリカの歴史の中で最も大きな出来事の1つであるアパルトヘイトの撤廃。その移行期に政権の中枢にありながらマンデラ氏のような評価が与えられず、おまけのような存在になっていた状況を示しています。しかし、本人の死をきっかけにして再び注目が集まっていることから、その状況が一変しているのだとわかります。タイトルが過去形になっているのもその表れでしょう。


この後、Msimangさんはさらにデクラーク氏が政治家としてアパルトヘイト撤廃移行期にどのような行動を取ったのかを具体的に記述し、最後にマンデラ氏の彼に対する姿勢を示し、記事は締めくくられます。



国際ニュースなどだけではその出来事の一側面しか知ることはできないのかもしれませんね。歴史のまた違う部分を知ることができる記事でした。

今回も、最後までお読みいただきありがとうございました!


2021年6月18日金曜日

英語学習を続ける「意志」はメンテナンスが必要

 


意志の「強い」「弱い」ってなんだろう


一念発起して始めたもののなかなか続かないものの代名詞がダイエットと英語学習ではないでしょうか。おそらくそのどちらもわかりやすく努力の結果が目に見えづらいことが原因の1つだと思います。それを解決するために数えきれないほどの方法が考え出され、紹介されてきました(このサイトもですが)。


しかしどれだけ英語学習の方法がどれだけ考案されても、私たちは無意識に実際よりもずっと早く効果がでることを期待してしまいます。学校の試験勉強ぐらいのスパンでPDCA(Plan, Do, Check, Action)を行う癖がついてしまっているのかもしれません。それが英語学習となると年単位で学習の方法と効果を照らし合わせて検討し続ける必要があります。そこで、語学学習を挫折しないために私たちに必要なのは続ける「意志」となります。


以前、私は意志の強い人というとぶれずに初心を忘れずにずっと持ち続けられる人というイメージを持っていて、それだけで自分にはハードルの高いもののように感じられました。しかし、最近折を見て読み返している『独学大全』に、意志について目の覚めるような内容が書かれていました。


志の強さは、それを立てた瞬間にではなく、自身の行為や思考を絶えず志に結び直した、その繰り返しの中に生じる


モチベーションを気力だけで常に一定以上保ち続けられないのは当たり前なのだ、とホッとしました。その代わり、なぜ学ぶのかという動機付けのメンテナンスを定期的にしないと、気づかぬうちに挫折への道を進むことになってしまいます。





英語学習をしようと思い立ったとき、そして実際にトレーニングを始めたときのわくわくした気持ちと比べてモチベーションが落ちてしまい、続けること自体が億劫になるとそんな自分に嫌悪感を抱くかもしれません。SNSを開くと毎日地道に英会話レッスンや独学を積み上げている人の投稿が目に入り、少しずつ挫折に向かっている自分の駄目さ加減に落ち込むこともあるでしょう。


でも、それはあなただけではありません。SNSでそうした投稿をするのも、自分が挫折しないようにフォロワーの人にある意味「監視」してもらう意味があるのではないでしょうか。裏を返せば独学で英語学習を続けることがどれだけ難しいかを知っているからこそ、他の人の目という助けを借りているのです。



心理学には「自我消耗」という概念があるそうです。普段以上の精神的エネルギーを消費した後に難題が降りかかると、セルフコントロールがうまくいかなくなるというもの。英語学習で言えば、頑張って単語を覚えたりレッスンを受けたりシャドーイングをしたりしたものの、当初期待していたほど実力がアップした実感がないという状態に当たります。それに私たちは日常を英語学習だけして生活するわけにはいきません。仕事や人間関係で悩むことがあれば、そのことに精神的エネルギーを費やしてしまい、それ以外に気持ちが回らなくなります。



孫引きになってしまいますが、『独学大全』の中で次のような夏目漱石が芥川龍之介と久米正雄に送った言葉を紹介します。


然し無暗にあせつては不可ません。たゞ牛のやうに図々しく進んで行くのが大事です。


牛のように努力するという表現はさすが夏目漱石です。










2021年5月24日月曜日

「Radio Garden」のこんなところが英語学習・語学学習にいい!

 世界中のラジオが無料で聞けちゃう「Radio Garden」



リスニングの素材はさまざまありますが、私が最近よく使っているのがRadio Gardenというインターネットラジオです。Radio Gardenは世界中のラジオをオンタイムで聞くことができるという優れもの。つまり、英語もそれぞれの国のネイティブの人たちが話しているので、自分が聞きたい国の英語のイントネーションや発音を選べるんです。リスニングでうまく聞き取ることができない理由にはいろいろありますが、国によって違うイントネーションや発音を認識できないということが原因になっている場合もあります。


そのほかの英語が聞き取れない理由はこちらでチェックしてみましょう。



Radio Gardenとは?


Radio Gardenは非営利団体のオランダ視聴覚研究所が2016年から運営を始めた無料サービス世界中のラジオ放送を聞くことができます。




ドラッグで地球儀をくるくる回してラジオステーションを探します。探すと言っても、緑の点で記されたステーションがいたるところにあります。ステーションをクリックするとすぐにラジオが流れ始めます。


これだけ多くあるとお目当てのステーションを探すのが大変ですが、そんなときは左下のラジオステーションの操作ウィンドウにあるハートマークのアイコンをクリックするとお気に入りに登録できます。





登録したお気に入りのステーションは"Favorites"で一覧表示されます。

ウェブサイトからはもちろん、スマホのアプリもあるので移動中などの隙間時間にも聞けちゃいます。







Radio Gardenでそれぞれの国の話し方に慣れる

Radio Gardenを知って私がまず思い出したのは、以前に仕事でインドの方とWhatsAppを使って話したときのことでした。もともとそれほど高いリスニング力とは言えませんが、ほとんど相手が話していることを理解できず、かなり焦りました。

「正しい英語の発音」というと私たち日本人はアメリカやイギリス、オーストラリアなどを基準にして考えてしまいがちです。しかし、実際に英語を使ってやりとりをする場面になってみると、ぼんやりとイメージしている正しい英語の発音通りに話してくれる相手ではない場合も少なくありません。

Radio Gardenでいろいろな国の英語に慣れておくとそんなときに対応できるのではないかと思います。

それでなくてもさまざまな言語をライブで聞けるというだけでもわくわくしてしまいます。まったく言葉のわからない国の言葉や音楽を聞ける楽しみもあります。住んでいる和歌山のBanana FMを流していることも少なくありませんが。

今日はどこのステーションを聞こうかな。





2020年5月14日木曜日

世界のポリグロット(多言語習得者)たちが教えてくれること

語学の学習法という永遠のテーマ


こんにちは!今日は語学学習の方法についてお話をしたいと思います。このサイトでは音読シャドーイング実況中継トレーニングNHK英会話を使った勉強法などの英語学習に利用できるツールを紹介してきました。語学学習のツールはメディアやITの発達にともなって今も増え続けています。新しい学習法についての記事もアップしていきたいと思っています。


"The secrets of learning a new language" (新しい言語を学習する秘訣)


ただ、自分の知らなかった方法がSNSなどで知るにつれ、「結局どの方法で勉強すればいいの?」と思ってしまいますよね。そういう私も次から次へといろいろな学習法に手をつけ、方法論の迷路をさまよっていました。そんな中、最近Twitterでフォローしている方が紹介していたTEDの動画を見て、目から鱗が落ちる気持ちになりました。

その動画がこちら。





スピーカーはリディア・マホヴァ(Lýdia Machová)さん。スロバキア語、英語、ドイツ語、ポーランド語、スペイン語、フランス語、ロシア語、エスペラント語の8ヵ国語を操ることができる語学メンターです。

スピーチのタイトルは"The secrets of learning a new language" (新しい言語を学習する秘訣)。この記事を読んでくださっている方は関心を引かれる内容ではないでしょうか。8ヵ国語も話すことができるマホヴァさんはやはり「どんな方法で? 秘訣は?」と聞かれることが多いようです。そこで彼女は、どのような方法で外国語を学んでいるのかを、世界中のポリグロット(多言語習得者)たちに聞いて回り、何か共通点があるのかを探ることにしました。そこで知った学習方法は次のようなものでした。


  • 初日からネイティブスピーカーと話してとにかく間違えながら覚えていく
  • Skypeで2人のネイティブスピーカーと同時にやりとりをして、片方の相手の言葉を別の方の相手にコピペして会話をつなげていって覚える
  • 文法の一覧をカラフルに整理する
  • 料理のレシピ動画を教材にする
  • アプリを使う
  • フラッシュカードを丁寧に作る

まさに十人十色ですね。そしてかならずしも特別な「秘訣」のような方法ではなく、私たちがすでに知っている手段によってポリグロットたちはどんどん新しい言語を習得しているようです。マホヴァさんはポリグロットたちが持つ4つの共通点を見つけました。



  1. Enjoyment(楽しむこと)
  2. Methods(方法)
  3. System(システム、習慣)
  4. Patience (辛抱強さ)


3のSystemと4のPatienceについては今回の内容とは少し離れているので掘り下げませんが、日常生活に語学学習をルーティンとして組み込み、すぐに成果が実感できなくても辛抱強く続けるということの必要性はあなたもきっと感じているでしょう。

そして1のEnjoymentと2のMethodsですが、この2つはとても重要で3と4にも大きく影響する項目だと思います。

2のMethodについて、マホヴァさんは何かひとつの学習法を提案しているのではありません。記憶を定着させるためには、情報を短期記憶から長期記憶へと移行させないといけません。そのために必要なのが数日ごとに繰り返し行う「間隔反復」だと彼女は話を勧めます。

間隔反復学習



これは心理学の有名な概念である「エビングハウスの忘却曲線」をベースにしたものでしょう。



人は何かを覚えたとしても、


  • 20分後⇒42%
  • 1時間後⇒56%
  • 9時間後⇒64%
  • 1日後⇒67%
  • 2日後⇒72%
  • 6日後⇒75%
  • 31日後⇒79%


というスピードで忘れていってしまうということを示したのがエビングハウスの忘却曲線です。逆に言えば、短期間に何度も繰り返し読んだり書いたりしても、その後1ヶ月何もしなければ8割近くを忘れてしまうということです。試験勉強はまさにそうですね。


少し話が逸れましたが、短期間に集中的に繰り返すのではなく間隔を空けながら続けて繰り返していくことが必要だということです。

そして語学学習には欠かせないこの間隔反復を支えるために、3のSystemと4のPatienceを持つことが大事になってきます。



「どの方法が」よりも大切なこと




ここで話が1のEnjoymentに戻ります。2のMethodsというのは、どの方法がいいという意味ではなく、間隔反復を続けられる「自分なりの」方法を見つけるという意味でマホヴァさんは伝えているようです。

大事なのは間隔反復を継続すること。

そして、その反復を続けるには、自分が楽しいと思える方法が必要になってきます。何が楽しいと思えるのかは、人それぞれですよね。いずれ紹介できたらと思っていますが、私の場合は最近、文章や日常会話を分解してGoogleのスプレッドシートに分類していくのが楽しく、また自分の趣味である野鳥観察や歴史、アートの分野を素材にしています。

あなたの場合は何でしょうか?きっと私とはまた違う興味ややり方があるでしょう。世の中には溢れるほど語学学習のツールや素材があるけど、あなたが楽しいと思える方法やジャンルを続けてみてはいかがでしょうか。





2019年9月25日水曜日

グレタ・トゥンベリさんの「気候行動サミット」演説の英日全文

スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんの国連「気候行動サミット」におけるスピーチの英語全文と日本語訳


国連 気候行動サミット


米のニューヨークにある国連本部で9月23日から開催されている「気候行動サミット」。歯止めがかからない地球の気候変動に対し、世界60か国以上の首脳が集まり、温室効果ガスの排出削減などのための具体的な方策を話し合うために開かれた国際会議です。

この気候行動サミットの冒頭で、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さん(16)がスピーチを行い、その強いメッセージは瞬く間に、世界中に広がりました。

スピーチの全文と、その日本語訳を紹介いたします。




2019年国連「気候行動サミット」 グレタ・トゥンベリのスピーチ





My message is that we'll be watching you.
わたしたちは、みなさんのことを見ている、というのが私のメッセージです。


This is all wrong. I shouldn't be up here. I should be back in school on the other side of the ocean. Yet, you all come to us young people for hope. How dare you!

そもそもおかしいんです。この場に私がいてはいけないはず。海の反対側にある学校に戻っているべきなのに。それなのに、みなさんは希望を私たち若者に求めて、ここに来ている。ありえない!


You have stolen my dreams and my childhood with your empty words and yet I'm one of the lucky ones. People are suffering. People are dying. Entire ecosystems are collapsing. We are in the beginning of a mass extinction and all you can talk about is money and fairytales of eternal economic growth. How dare you!

私は、みなさんの空虚な言葉のために、自分の夢と子ども時代が奪われています。それでもまだ、運がいい方なのだと思います。苦しんでいる人たちもいる。死に直面してる人たちもいる。生態系そのものが壊れつつあります。私たちは大量絶滅の入り口に立っているというのに、みなさんが話題にできることと言えば、お金のことと、永遠に続く経済成長というおとぎ話。ありえない!



For more than 30 years, the science has been crystal clear. How dare you continue to look away and come here saying that you're doing enough when the politics and solutions needed are still nowhere in sight.

もう30年以上にわたって、科学は明白な事実を示してきました。それなのにみなさんは目を背け続け、必要な政策や解決策の見通しが何もないというのに、ここに来て「十分やってるよね」なんて言っている。



You say you hear us and that you understand the urgency, but no matter how sad and angry I am, I do not want to believe that. Because if you really understood the situation and still kept on failing to act then you would be evil and that I refuse to believe.

私たちの意見を聞いて、切迫した事態だというのがわかってると言うけれど、私がどれだけ悲しんで怒っているかは別にしても、そんな言葉は信じたくありません。現状が本当にわかっていて、何も行動をしないままでいるのなら、それはもう悪事と言ってもいいでしょう。だから決して信じません。



The popular idea of cutting our emissions in half in 10 years only gives us a 50 percent chance of staying below 1.5 degrees and the risk of setting off irreversible chain reactions beyond human control. Fifty percent may be acceptable to you, but those numbers do not include tipping points, most feedback loops, additional warming hidden by toxic air pollution or the aspects of equity and climate justice. They also rely on my generation sucking hundreds of billions of tons of your CO2 out of the air with technologies that barely exist.

10年以内に排出量を半分に削減しようという一般的な考え方でも、1.5度より低いままになる可能性が50%で、あとの50%は人類の力では元に戻せない連鎖反応に向かってしまう危険だってあります。みなさんは、50%でもいいのかもしれない。でもこの数字には、(劇的な気候変動が起こる)ティッピングポイント、ほとんどのフィードバックループ、有毒な大気汚染に隠れたさらなる温暖化、そして公正さと気候の公平性という側面などが、含まれていないのです。それらがどうなるかは、みなさんが大気に放出した数千億トンものCO2を、私たちの世代がいまほどんどありもしない技術で、吸収できるかどうかにかかっているのです。



So a 50% risk is simply not acceptable to us — we who have to live with the consequences.
だから、50%の危険性を受け入れるなんてことは、まずできません。私たちはリスクの結果と一緒に生きていかなければいけないのですから。



To have a 67% chance of staying below a 1.5 degrees global temperature rise – the best odds given by the [Intergovernmental Panel on Climate Change] – the world had 420 gigatons of CO2 left to emit back on Jan. 1st, 2018. Today that figure is already down to less than 350 gigatons.

地球の気温上昇が1.5%以下に抑えられる可能性を67%にするには―「気候変動に関する政府間パネル」が示した最良の場合の数字ですが―2018年1月1日にさかのぼって、世界が輩出できるCO2の量を420ギガトンまででした。その数字が今では、すでに350メガトンを切っています。




How dare you pretend that this can be solved with just 'business as usual' and some technical solutions? With today's emissions levels, that remaining CO2 budget will be entirely gone within less than 8 1/2 years.

それなのにみなさんは「いつものやりかた」とちょっとした技術的な解決で、この問題をなんとかできるようなフリをしてるなんて、ありえない。今の排出水準だったら、8年半もかからないで、使用可能なCO2の量はなくなってしまうというのに。



There will not be any solutions or plans presented in line with these figures here today, because these numbers are too uncomfortable. And you are still not mature enough to tell it like it is.

今日この場でも、この数字に沿った解決策や計画は提出されないでしょう。あまりにもやっかいな数字ですから。それに、やっかいな状況なのだと言葉にできるほど、みなさんは大人ではないようですし。




You are failing us. But the young people are starting to understand your betrayal. The eyes of all future generations are upon you. And if you choose to fail us, I say: We will never forgive you.

みなさんは私たちを見捨てようとしているんです。でも、若者もみなさんが裏切者であることに気づきつつあります。みなさんに、未来の世代の目が向けられています。もし、私たちを見捨てる道を選ぶというなら、こう言っておきましょう。「私たちは決して許さない」と。




We will not let you get away with this. Right here, right now is where we draw the line. The world is waking up. And change is coming, whether you like it or not.

逃げるなんてことはさせません。今、ここで、けじめをつけましょう。世界は目を覚まそうとしています。変化は起きつつあります、否が応でも。



Thank you.
ありがとうございました。



2019年1月19日土曜日

字幕つき動画で英語学習するならEEvideoがおすすめな理由



スラッシュリーディングにも対応した英語動画サービスEEvideo



最近では,HuluやNetflixなどの動画サービスの普及によって,英語学習に海外の映画やドラマを利用する方も多いようです。映画やドラマでは、生きた英語が身に付きやすく、日々の日常生活に取り入れやすいなどのメリットがあります。自分のペースでできるのも負担が少なくていいですよね。



一方で,学習用に作られたものではないため、難しい表現や語彙が多く,音声も聞き取りにくいものが多く,そのままではスムーズに学習しにくいというデメリットもあります。



EEvideoはこれらのデメリットを克服したサービスで、画面上にスクリプトが表示されます。それだけではなく、字幕上の難しい語彙にはルビ訳がふられているのでとても効率的です。また、文構造の表示や再生速度の変更などにも対応しており、英語が苦手な方でもストレスなく学習できます。




EEvideoはなんと無料で利用できるサービス。PCのほか、iOSアプリとAndroidアプリに対応していますので、通勤通学の移動時間を有効に利用することができます。ただ、すべての動画を視聴するには30日1,000 円のプランに加入する必要がありますが、英会話教室などに通うのと比較したらはるかにお得な価格ですよね。














しかも、動画上に字幕を表示し,文構造やルビ訳などの学習サポートを添えることができます。もちろんこれはYouTubeではできないこと。上に英文,下にその訳が表示されます。




サンプル動画






英文(上): 文を句や節で分割し(スラッシュリーディング),難しい語彙にはルビ訳を表示。返り読みを避け,英語の語順のまま理解するトレーニングができます。

訳(下): スラッシュごとに直訳を表示。訳の参照がしやすく,また,直訳で分かりにくい部分はコメントで補足したので,英語特有の表現に慣れることもできます。




学習効果を高めるには集中することが重要ですが、動画を利用することでより集中しやすくなるようです。例えば、上記の動画はアメリカの大統領就任演説なので、スクリプトだけを探せば見つけることはできるでしょう。しかし、動画なら大統領の表情や手振り、聴衆の喝采やどよめきを感じることもできます。人間は視覚から得る情報の影響が最も大きいと言われ、視覚を刺激することでより集中でき、自分の頭の中でイメージを再生しやすくなります。 ニュースや映画では、映像は理解の助けにもなります。また、リーディングの学習の場合でも、英語は常に音声を聞きながら学習することが大切だと言われますが、動画であれば映像と音声の両方を利用できます。



スラッシュリーディングは句や節ごとに意味を取るテクニックで、長い文章を理解しやすい量に分解します。そのため、分かりにくい語彙や文法・語法があっても意味を推測しやすくなります。スラッシュリーディングの効果は学術的にも実証されており,アメリカでは古くから移民の英語学習プログラムに採用され、最近では日本の高校の授業にも取り入れられています。また、スラッシュリーディングをすることによって、英語をチャンクで理解する力がつき、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングそれぞれの能力を底上げすることができます



関連記事
チャンクを意識して英語学習をしよう!独学ならなおさらチャンクは欠かせない




 スラッシュリーディングには、前置詞や接続詞,関係詞など機械的に区切ることができる部分と,全体の文構造や意味を意識しながら区切る必要がある部分があります。スラッシュリーディングはテクニックの要素が強く、トレーニングによって強化することが可能です。
 




















EEvideoの動画の種類


アメリカやイギリスのニュースやスピーチ・演説、映画やドキュメンタリー、世界各地のトラベルガイド、小説や動画を題材にしたアニメなどで学習できます。動画は500本以上あり、ジャンル別、レベル別に分けられています。 なお、動画は権利者様の許可を得たもの、クリエイティブ・コモンズのもの(CC BY 3.0),権利の消滅したもの(古い映画など)を使用しており、クレジットは個々の動画ページに記載されています。


自然科学や政治などのドキュメンタリーといった硬派な内容が多く、映画やアニメなどは少しイマドキではないですが、「トラベル」のジャンルは本数も多く飽きずに学習できるのではないでしょうか。



動画サービスの比較




EEvideo超字幕EnglishCentralVoiceTubeDigitalcastTED AudioBooks
利用動画ニュース,映画,アニメ映画,ドラマ映画の予告編 等(YouTube)TEDのスピーチTEDのスピーチ
動画の長さ数分~2時間1~2時間3分未満数分数分~20分数分~20分
字幕表示◯(動画内)△(動画外)△(動画外)△(動画外)◯(動画内)△(動画外)
日本語訳文節ごとの訳全体訳全体訳全体訳全体訳全体訳
再生速度変更
文構造の表示
ルビ訳の表示
有料プラン30日1000円1本3490円月2980円(無料)(無料)(無料)
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 なお、1つのコードで,PCとスマホアプリの両方で利用できます。









2018年4月8日日曜日

受付を英語にすると?カウンターでの英会話も

いくつか言い方がある英語の「受付」

受付

訪問先でアポイントメントを取っている人を呼び出してもらったり、何かわからないことがあったときに教えてもらうために利用する受付。ホテルや会社ではロビーを入ってすぐにあるので場所を聞くことはあまりないと思いますが、電話や口頭で伝えなければいけないことがありますよね。


ひとことで「受付」と言っても場面によっていくらか使う英単語も違ってきたりするので、なんとなくそれぞれの違いを覚えておきましょう。


簡単ですが受付のカウンターで出てきそうな英会話も紹介しておきます。必要そうなときにぜひご活用ください!







2018年3月23日金曜日

引っ越しを英語にすると?そのほか移転にまつわる英単語も

英語では簡単な単語になる「引っ越し」



一説では、家財一式を荷車などに乗せて「引き」、遠くまで「越して」行くことが引っ越しの語源であるとも言われていますが、それだけ家を変えるというのは昔から大変なことだったんですね。まあ、人生で90回以上も引っ越しをした葛飾北斎のような人もいたようですが…。


もちろん国が変わっても、定住民族にとってはやはり住む場所を移動させるというのはなかなかできるものではないでしょう。



今回はそんな引っ越しにまつわる英語を取り上げていきたいと思います!






2018年3月20日火曜日

ふりかけを英語にすると?一緒に味や素材の英語も覚えちゃおう!

"furikake"でもいいけれど……


さて、今回はちょっとおかずが物足りないな、というときにとっても助かる「ふりかけ」と、その材料や味を英語にしてみたいと思います。


他のサイトにも書かれているとは思いますが、日本独特の食べ物なので"furikake"でも確かに問題はありません。でも、寿司やてんぷらに比べるとこの固有名詞では「?」と思われてしまうことも少なくないかもしれません。


ということでちょっと説明口調の英語を紹介しましょう。



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運営者紹介

英日産業翻訳者です。IT系やスポーツ関連商品などの企業コンテンツ、コミュニケーションやゲームのアプリの翻訳やレビュー、品質管理をしています。 2020年に東京から和歌山に移住しました。時間ができると、美味しいものやきれいな景色、由緒あるスポット、面白いイベントを求めて、折りたたみ自転車でふらふらと出かけていきます。

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