2020年5月14日木曜日

世界のポリグロット(多言語習得者)たちが教えてくれること

語学の学習法という永遠のテーマ


こんにちは!今日は語学学習の方法についてお話をしたいと思います。このサイトでは音読シャドーイング実況中継トレーニングNHK英会話を使った勉強法などの英語学習に利用できるツールを紹介してきました。語学学習のツールはメディアやITの発達にともなって今も増え続けています。新しい学習法についての記事もアップしていきたいと思っています。


"The secrets of learning a new language" (新しい言語を学習する秘訣)


ただ、自分の知らなかった方法がSNSなどで知るにつれ、「結局どの方法で勉強すればいいの?」と思ってしまいますよね。そういう私も次から次へといろいろな学習法に手をつけ、方法論の迷路をさまよっていました。そんな中、最近Twitterでフォローしている方が紹介していたTEDの動画を見て、目から鱗が落ちる気持ちになりました。

その動画がこちら。





スピーカーはリディア・マホヴァ(Lýdia Machová)さん。スロバキア語、英語、ドイツ語、ポーランド語、スペイン語、フランス語、ロシア語、エスペラント語の8ヵ国語を操ることができる語学メンターです。

スピーチのタイトルは"The secrets of learning a new language" (新しい言語を学習する秘訣)。この記事を読んでくださっている方は関心を引かれる内容ではないでしょうか。8ヵ国語も話すことができるマホヴァさんはやはり「どんな方法で? 秘訣は?」と聞かれることが多いようです。そこで彼女は、どのような方法で外国語を学んでいるのかを、世界中のポリグロット(多言語習得者)たちに聞いて回り、何か共通点があるのかを探ることにしました。そこで知った学習方法は次のようなものでした。


  • 初日からネイティブスピーカーと話してとにかく間違えながら覚えていく
  • Skypeで2人のネイティブスピーカーと同時にやりとりをして、片方の相手の言葉を別の方の相手にコピペして会話をつなげていって覚える
  • 文法の一覧をカラフルに整理する
  • 料理のレシピ動画を教材にする
  • アプリを使う
  • フラッシュカードを丁寧に作る

まさに十人十色ですね。そしてかならずしも特別な「秘訣」のような方法ではなく、私たちがすでに知っている手段によってポリグロットたちはどんどん新しい言語を習得しているようです。マホヴァさんはポリグロットたちが持つ4つの共通点を見つけました。



  1. Enjoyment(楽しむこと)
  2. Methods(方法)
  3. System(システム、習慣)
  4. Patience (辛抱強さ)


3のSystemと4のPatienceについては今回の内容とは少し離れているので掘り下げませんが、日常生活に語学学習をルーティンとして組み込み、すぐに成果が実感できなくても辛抱強く続けるということの必要性はあなたもきっと感じているでしょう。

そして1のEnjoymentと2のMethodsですが、この2つはとても重要で3と4にも大きく影響する項目だと思います。

2のMethodについて、マホヴァさんは何かひとつの学習法を提案しているのではありません。記憶を定着させるためには、情報を短期記憶から長期記憶へと移行させないといけません。そのために必要なのが数日ごとに繰り返し行う「間隔反復」だと彼女は話を勧めます。

間隔反復学習



これは心理学の有名な概念である「エビングハウスの忘却曲線」をベースにしたものでしょう。



人は何かを覚えたとしても、


  • 20分後⇒42%
  • 1時間後⇒56%
  • 9時間後⇒64%
  • 1日後⇒67%
  • 2日後⇒72%
  • 6日後⇒75%
  • 31日後⇒79%


というスピードで忘れていってしまうということを示したのがエビングハウスの忘却曲線です。逆に言えば、短期間に何度も繰り返し読んだり書いたりしても、その後1ヶ月何もしなければ8割近くを忘れてしまうということです。試験勉強はまさにそうですね。


少し話が逸れましたが、短期間に集中的に繰り返すのではなく間隔を空けながら続けて繰り返していくことが必要だということです。

そして語学学習には欠かせないこの間隔反復を支えるために、3のSystemと4のPatienceを持つことが大事になってきます。



「どの方法が」よりも大切なこと




ここで話が1のEnjoymentに戻ります。2のMethodsというのは、どの方法がいいという意味ではなく、間隔反復を続けられる「自分なりの」方法を見つけるという意味でマホヴァさんは伝えているようです。

大事なのは間隔反復を継続すること。

そして、その反復を続けるには、自分が楽しいと思える方法が必要になってきます。何が楽しいと思えるのかは、人それぞれですよね。いずれ紹介できたらと思っていますが、私の場合は最近、文章や日常会話を分解してGoogleのスプレッドシートに分類していくのが楽しく、また自分の趣味である野鳥観察や歴史、アートの分野を素材にしています。

あなたの場合は何でしょうか?きっと私とはまた違う興味ややり方があるでしょう。世の中には溢れるほど語学学習のツールや素材があるけど、あなたが楽しいと思える方法やジャンルを続けてみてはいかがでしょうか。





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運営者紹介

英日産業翻訳者です。IT系やスポーツ関連商品などの企業コンテンツ、コミュニケーションやゲームのアプリの翻訳やレビュー、品質管理をしています。 2020年に東京から和歌山に移住しました。時間ができると、美味しいものやきれいな景色、由緒あるスポット、面白いイベントを求めて、折りたたみ自転車でふらふらと出かけていきます。

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