1人で英語を勉強していると、なんとなく作業的というか、受け身になってしまわないでしょうか。英単語を覚えたり、リスニングをしたり、英文の読解をしたり、多読をしたり。
まさにシャワーを浴びるように英語をインプットするわけですが、そのままただの知識として終わってしまうのが英語学習者、外国語学習者としては何よりも怖いですよね。
以前に英単語が文章内にある場所を覚える方法を「トリガー」として利用する方法を紹介しましたが、それも自分なりのポイントを作って英語を思い出しやする目的にしたものでした。
今回おすすめする方法も、利用する英語の素材にもっと自分自身を積極的に関わらせていくものです。
それは、いちいち”なぜ?”を問いかけることです。
好奇心の”なぜ?”が英語の動力源になる
子供のころを思い出してみてください、あるいはお子さんのいらっしゃる方はすぐに思い当たるでしょう。
「なんで?」
「どうして?」
と私たちもよくそう両親に聞いていましたし、矢継ぎ早の質問攻めに閉口した経験をお持ちの方も少なくないでしょう。
子供が質問をする対象はさまざまですが、どうしてそんな言葉を使うのか、といったことも不思議に感じて理由を知りたがります。好奇心こそ発想を豊かにするという洋書を「使える英語音読教材」シリーズで取り上げたことがありましたが、”なぜ?”と理由を考え、知ることは(知るにあたる英語は?)語学学習でも大事なことだと思います。
”なぜこの言葉を使ったのだろう?”と考えることの効果
“なぜ?”を考えるとこんないいことがあります。
- その文の伝えたいことがもっと深く納得できる。
- 英語を融通の利かない対訳ではなく、イメージで覚えられる。
- 納得した気持ちを今度は自分がその英語を使うときに当てはめて言えるようになる。
ちょうどいいので、さきほどの回に出てきた英文を例に見てみましょう。
“What's a guy like me doing writing a book about curiosity?”
私は訳として、
「好奇心について本を書くような私とは、どんな男なのでしょう?」
という日本語をつけています。
最初に私がこの文を見てあれっと感じたのは”a guy”でした。もちろんよく使う英単語ではあるのですが、なんで”a man”ではないんだろう、と思ったのです。
私の愛用のランダムハウス英語辞典によると、”guy”は一番目の意味に「((話))男、あいつ、やつ」とあり、続く意味にもちょっとマイナスなイメージがあったり、((俗))がついていたりします。
つまり軽口のように使われているんだな、ということがわかります。著者は自分のことを”a guy”と称して、読者に気軽に読んでほしいと思っているのではないかと想像します。
あくまでも想像ですけどね!
実際に合っているかどうかはご本人に確認しなければわかりませんが、大事なのは”なぜか?”を考えることです。このちょっとしたひと手間をするだけで辞書では「男、あいつ、やつ」などの無味乾燥な言葉が並んでいましたが、これから自分が”guy”を聞いたとき、話すときに相手とイメージを共有できる可能性が高くなります。
その上で単語をチャンクにまとめれば、きっと「自分の」英語を話せるようになるはずです(英語学習に「チャンク」が効果的な理由)。
英語を話す相手と共有するのは「訳語」ではなくニュアンスやイメージを通じた「気持ち」
英語の意味というとどうしても単語帳や辞書に出ている訳語をそのまま受け取ってしまいがちですが、実はニュアンスやイメージがあると、相手と自分の気持ちが行き来しやすくなるのです(ニュアンスが大事という話)。
どうでしょうか。多読によって得られる経験も必要ですし(多読と精読について)、こうして”なぜ?”と自問することで「腑に落ちた」英語を蓄えることができるはずです。ぜひこのひと手間をしてみてください。
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