2015年5月17日日曜日

使える英語音読。第二次大戦下のパリで出会う盲目の女の子とナチス将校の男の子の小説で。


こんにちは、トレーナーどばしです。

英語が話せるようになる!聞けるようになる!使える英会話を身につけるために考えた音読する英語教材を無料にて公開しています。スピーキングにもリスニングにも、効果あるトレーニングです。

パソコンやスマホを閉じてからしばらくして、ちょっと思い出そうとすればすぐにあの英単語が出てくるようになります。繰り返し続けていれば、いろんな英語が話せるように!


今日紹介するのは、”All the Light We Cannot See”です。今Amazon.comでベストセラーになっている小説です。作者はAnthony Doerr。アンソニー・ドーアと言えば日本では『メモリー・ウォール』や『シェル・コレクター』が出ています。




“All the Light We Cannot See”は昨年の5月に出版されました。フランス人の女の子、Marie-Laure は6歳のときに視力を失います。そして12歳のときにナチスが侵攻してきました。父が働く自然史博物館から貴重な文化財を略奪から守ろうとそれらを運び出すことにする。

一方、ドイツ軍に所属していたWernerは妹と二人で育った。無線機のエキスパートとして軍隊で見込まれ、ヒトラー青年隊でレジスタンスの探索の任についていた。

そんなMarie-LaureとWernerの運命が交錯することになります・・・。



目次

  1. 今日の英文
  2. シラブル発音文
  3. 英日ごちゃまぜ文
  4. 全体訳

  5. 独特の文章です。本文を見てみましょう。


    今日の英文


    Leaflets

    At dusk they pour from the sky. They blow across the ramparts, turn cartwheels over rooftops, flutter into the ravines between houses. Entire streets swirl with them, flashing white against the cobbles. Urgent message to the inhabitants of this town, they say. Depart immediately to open country.

    The tide climbs. The moon hangs small and yellow and gibbous. On the rooftops of beachfront hotels to the east, and in the gardens behind them, a half-dozen American artillery units drop incendiary rounds into the mouths of mortars.

    詩的な散文ですね。雰囲気としては一人称でしたがばら戦争のマーガレット・ポールを主人公にした本に近いかもしれません。


    シラブル発音文


      それでは発音やアクセントを磨いていろんな英語の音に慣れましょう!

        ルールに従いながら、音読を繰り返しましょう音読をする理由)。
        • 基本的にローマ字の読み方で読む
        • 大文字になっているところがアクセント。(アクセントが大切な理由)
        • ハイフンはシラブル(音節)(シラブルって?)の区切り
        • “ə”はあいまい発音。アとオとエを混ぜた発音
        • “THZ”は”that”の”th”の発音
        • 母音1個は口をあまり開かず短く、2個は口を大きく開けて、3個は伸ばして発音(子音の発音の説明
        • 始めのころはかなりゆっくり音読。徐々に速く。目指せ早口。



どのくらいシラブル発音文を覚えたかチェックするなら、今回分を含んだクイズをどうぞ!

英日ごちゃまぜ文




英語の部分はそのまま、日本語の部分は英語に直しながら音読しましょう。つまり声に出すのは全部英語です。英語が出てこないときは上の文で確認すればOKです。発音とかは先ほどのシラブル発音文を思い出したり、やり直したりしながら音読してみてください。





Leaflets
At dusk それらは pour from the 空. They 吹かれていく(2語) the ramparts, 側転する(2語) over 屋上, はためいていく into the 渓谷 between houses.


ぜんぶの streets 渦巻く with それら, flashing 白く against the 敷石. Urgent message ~への the 住人 of this 町, それらが say. 出発せよ immediately ~するために open country.

The 潮流は climbs. The moon つり下がる small and yellow and 凸型に. ~ではthe 屋上 of beachfront ホテル ~に面した the east,

and ~では the 庭 ~の裏 them, a 6つの American artillery units 落とし込む incendiary rounds ~の中へと the 口of mortars.

別パターンも練習です!



ビラ
たそがれ時(2語) they降り注ぐ  ~から the sky. それらは blow across the 城壁, turn cartwheels ~の上を rooftops, flutter ~の中へと the ravines ~の間 家々.

Entire 通り swirl ~で them, 光る white ~に対して the cobbles. 緊急通報(2語) to the inhabitants of この town, they 言っている. Depart いますぐに to 解放する 国を.


The tide さかのぼる. The 月 hangs 小さく and 黄色く and gibbous.

On the rooftops ~の 海辺 hotels to the 東, and in the gardens behind それら, a half-dozen 米軍砲撃部隊(3語) drop 焼夷弾(2語) into the mouths of 迫撃砲.




文章の意味を感じるポイント

  • "they"や"them"はほとんどが「ビラ」のことを言っています。「彼ら」という日本語に縛られていると、ついつい人間のことだと思ってしまいますが。
  • "at dusk"は夕暮れ時を指していますが、「薄暗い」というぼんやりとした暗さを伝えているようです。時間よりもその暗さに焦点があるように感じられます。
  • "pour"は液体などが浴びるほど降ってくる感じです。それだけ大量のビラが巻かれている状況を表しています。
  • 「渓谷」には一般的には"canyon"が使われますが、どうして" the ravines"という単語を使ったのでしょうか?細くて深い、流水でできた渓谷を指すようですが、もしかしたらこの単語がフランス語だから?とも想像が広がります。
  • "open"を「開く」だとすぐに決めてしまうとぼんやりしてしまいます。ドイツの占領から国を開いた状態にするんですね。
  • "entire"には「全部の」といった意味に加えて、似ていますが「完全な」という意味もあります。残らず全部の通りに、というニュアンスが感じられます。

    最後に全体の訳でイメージを膨らませましょう。 
英単語などがちゃんと覚えているかチェックするなら、今回分をふくんだこちらのクイズをどうぞ!

    全体訳

    ビラ
    たそがれ時、それは空から降り注いできた。城壁を吹かれていき、屋上を縦に転がっていき、家々を縫う渓谷へとはためいて落ちていく。通りと言う通りが、ビラで渦巻いている。敷石に白い光が反射する。緊急通告がこの町の住人に届いたのだ。今こそ立て、国を解放せよ、と。

    潮は遡る。凸形の月がつり下がっている。小さく、黄色い。東側に面した海辺のホテルの屋上で、そしてその裏庭で、米軍砲撃部隊が6部隊、迫撃砲に焼夷弾を詰め込んでいる。



    独特の文章のリズムを日本語で表現するのはむずかしいですね(汗)この本もそのうち邦訳されるんでしょうね、楽しみです。





アンソニー・ドーアの邦訳作品

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英日産業翻訳者です。IT系やスポーツ関連商品などの企業コンテンツ、コミュニケーションやゲームのアプリの翻訳やレビュー、品質管理をしています。 2020年に東京から和歌山に移住しました。時間ができると、美味しいものやきれいな景色、由緒あるスポット、面白いイベントを求めて、折りたたみ自転車でふらふらと出かけていきます。

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