2015年8月6日木曜日

その"fiddle"や"anticipation"に潜む感情とは・・・。

こんにちはー、トレーナーどばしです。





今回は1981年から続く、ロンドンマラソンについての本の力を借りたいと思います。



タイトルは”The London Marathon “で、著者はJohn Bryant です。





英文は著者が実際にロンドンマラソンを走ったときのことを書いています。




今回の英文


I am standing on the start line like a teenager on a date, all hope and anticipation. The spitting rain shivers off my shorts and trickles down my all too naked legs. Someone behind is treading on the backs of my shoes, and hundreds more are pushing me forward. I am already breathing too fast and there's a taste of panic round my lips.
I am nervous, uncertain, excited. I fiddle with my watch, strain for the boom of the cannon and wonder if this, at last, will be the one I've been waiting for.




今回の英文の音声はこちらで聞けます!











全体訳

私はデートの日を迎えた10代の子のようにスタートラインの上に立っている。願望と予測でいっぱいだ。パラパラと落ちてくる雨は私の短パンで細かな粒になり、むき出しになった足をつたって落ちていく。後ろにいる人が私の靴のかかとを踏みつけてくる。何百人を超える人数が私を前へ前へと押しやる。すでに呼吸がかなり早い。唇のあたりがパニックをふっと感じる。
張り詰めていて、落ち着かなくて、ドキドキした気持ちだ。時計をいじり、バンという砲声に身を構えつつ思う。ついに、自分が待ち続けていたものが本当のことになるのだろうか。










この英語、こう使おう!


”on a date”
“date”は「日付」や「日時」といった意味もありますが、今回はかなり著者がわくわくそわそわしているし”like a teenager”と言っているので、これは「デート」でしょう。”on”がついていることで「~の状態で」ということでデートの日の子といったイメージでしょう。うんうん。







”anticipation”
“hope”と”anticipation”は、「これからこういうことが起きるんじゃないかな」というところでは共通していますが、hopeはさらに「こうなって欲しいな」という「願望」です。一方、anticipationはどちらかというとその起きそうなことに対してのわくわくやどきどきやいらいら(どの感情かはそのときどきですが)が感じられます。ちょっと複雑な名詞のanticipationさんです。








”spit”
今回は雨の降り方を表現している”spit”ですが、基本的には「ぺっ」とつばを吐く動作を表します。雨の降り方にspitを使うと、「パラパラ降る」くらいの雨になります。それにしても、雨をつばにたとえるとはなんともなんとも。









”shiver”
恐怖とかで「震える」と言う使い方が一番多いですが、今回は雨なのでたぶん震えているわけではないということで、「細かくばらばらになる」というイメージです。"off"もついているのでさらにそのイメージが強くなっています。その他の「震える」の英語を知りたい方は、「「震える」英語はバリエーション豊か。その震え、恐怖?寒さ?怒り?違いがわかる学習者になりたい。」の記事をどうぞ!










”trickle”
”trickle”という動詞のイメージは「ちょろちょろ」と流れていく感じです。今回は"down"も一緒なのでちょろちょろと流れ落ちているんですね。


ちょろちょろなtrickle








”too naked"
「あまりにもむきだし」ってどれだけむきだしているんだろう、と思ってしまいますが、日常の格好とちがって短パンを履いていることで足がほとんど出ていることを強調して伝えようとしているんだと思います。










”tread”
”tread”は「足でぐっと踏みつける」しぐさです。圧力を感じます。この使い方は基本的にイギリス英語のようです。








” taste”
「風味」とかの意味の"taste"なので、"a taste of panic"とはどんな味だろうと首をひねってしまいます。残念ながらどんぴしゃでくる意味は辞書には見当たりません。


これはどうやら比ゆ表現のようです。いちばん近いのは「ほんの少しのあいだ経験する」というニュアンスでしょう。唇のあたりでパニックを「ふっと味わった」のではないかと私は推測しました。つまりぶるぶる震えていることを遠回しの表現で伝えようとしているようです。ちょっとノンネイティブにはレベルの高い使い方です・・・。









” fiddle”
「手でいじくる」という意味の動詞になりますが、そこには本人に「つまらない」とか「どうしよう」といった退屈や不安の感情が込められています。髪をいじるしぐさなどがまさにfiddleという感じですね。








”at last”
"finally"と同じ意味です。長い時間の流れがあって、「ようやく」「とうとう」というやっとだよ、という気持ちが込められます。






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英日産業翻訳者です。IT系やスポーツ関連商品などの企業コンテンツ、コミュニケーションやゲームのアプリの翻訳やレビュー、品質管理をしています。 2020年に東京から和歌山に移住しました。時間ができると、美味しいものやきれいな景色、由緒あるスポット、面白いイベントを求めて、折りたたみ自転車でふらふらと出かけていきます。

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