2015年8月5日水曜日

"residence"や"fabric"などの建築関係の英語の意味。その他、"destroy"のイメージなどについて。

こんにちはー、トレーナーどばしです。







今回はロンドンの建築について書かれた本の英文を使いたいと思います。歴史の古い建築物が多いロンドンならではの本です。







タイトルは”Great House of London”で、著者は James StourtonとFritz von der Schulenburg です。




それではランべス宮殿という建物についての英文を見てみましょう。



今回の英文


Lambeth Palace is part of the enduring fabric of London. The Archbishops of Canterbury have owned the site since the twelfth century, and it has been their main residence since the thirteenth century. Royal dynasties have come and gone, the Civil War may have disrupted their tenure and World War II almost destroyed it, but the s are still at Lambeth.



今回の英文の音声を聞きたい方はこちらをどうぞ!










この英語、こう使おう!


”enduring”
“enduring”は形容詞としての役割をもった英語で、「長い年月を耐え忍んで残っている」というイメージです。建物や樹など、動くことができなかったりして自分では何もすることができないものに使えます。”survive”と違って受け身に生き残っている感じです。



じっとenduring








”fabric”
”fabric”は「織物」といった”textile”と似たような意味で使われることが多い名詞ですが、「建物のそれぞれの構成部分」という意味もあります。屋根とか床とかドアとか。


ただ、今回は”fabric of London”なので、文字通りに受け取ろうとすると、ロンドンの屋根とか床ってなんのことやらとなってしまいます。おそらくこれも比ゆ表現で、ロンドンという街全体を建築物になぞらえて、ランべス宮殿がそれを構成する建築物の1つであるということを伝えようとしているのではないでしょうか。








”The Archbishops of Canterbury”
以前、”cathedral”(聖堂)と”church”(教会)の違いを説明した回がありましたが、英国国教会のなかでもっとも権威のある聖職が”The Archbishops of Canterbury”、「カンタベリー大主教」です。ちなみにイギリスがカトリックだった時代までは「大司教」と区別します。












”residence”
「レジデンス」というカタカナを最近耳にするようになりましたが、”my residence”というふうに使うのはちょっと気をつけた方がいいかもしれません。具体的に住んでいるところとしてのresidenceは「豪邸」「邸宅」のような大きな家というイメージが伝わります。自分で言うとハードルが上がってしまうかもしれません。

ただ、住む場所という一般的な「住居」の意味で使うこともあります。


a residenceってこんなのでしょうか。












”dynasty”
日本の歴史では使わない英語の”dynasty”は「王朝」や「王家」といった意味の名詞になります。














”the Civil War”
”the Civil War”はアメリカならば「南北戦争」になりますが、イギリスの人が書いている本なので今回は17世紀に起きた「ピューリタン革命(清教徒革命)」を指します。たしかに「市民戦争」といっても、その国にとってのですから国によって指す事柄が変わってくるんですね。













”disrupt”
”disrupt”は「いつもの状態は続けられないようにする」というちょっと細かい使い方をする動詞です。少しかし硬い表現なので、「不能に陥らせる」とか「継続困難にする」といった日本語になるでしょうか。












”tenure”
土地や家の法的な保有権のことを”tenure”といいます。重職の「在任期間」という意味でも使える名詞です。












”destroy”
”destroy”は「破壊する」というニュアンスの動詞ですが、それだけでなく「もと合った形をなくすまで壊す」「能力がゼロになるまで痛めつける」といった徹底さを感じる英語です。今回はそれに副詞の”almost”がついているので、再建不能なくらいになりそうだったんですね。


これはもうdestroyed







全体訳

ランべス宮殿はロンドンという街を長きにわたって形づくっているものの1つである。この宮殿がカンタベリー大主教の所有となったのは12世紀のこと。そして13世紀以降、今にいたるまで大主教の本邸となっている。数々の王朝が現れては消え、ピューリタン革命のときにはカンタベリー大主教の保有権は侵害されていたかもしれないし、第二次世界大戦中にはあやうくがれきになってしまうところだった。それでも現代の大主教たちもこのランべス宮殿に暮らしている。




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英日産業翻訳者です。IT系やスポーツ関連商品などの企業コンテンツ、コミュニケーションやゲームのアプリの翻訳やレビュー、品質管理をしています。 2020年に東京から和歌山に移住しました。時間ができると、美味しいものやきれいな景色、由緒あるスポット、面白いイベントを求めて、折りたたみ自転車でふらふらと出かけていきます。

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