2015年8月7日金曜日

「はぁ、どうしたらいいんだろう」という状態は"fret"です!その他、拒否反応を込めた"horrid"などについて。

こんにちはー、トレーナーどばしです。






今回は17世紀に発生したロンドンでの腺ペストの流行をテーマにした本の英語を扱いたいと思います。その当時の少女がつけた日記という形を取ったフィクションです。






タイトルは”The Great Plague-A London Girl’s Diary 1665-1666”で、作者はPamela Oldfield です。






今回の英文


I fretted all day about the plague and could not concentrate on my crochet work. That work little collar. I swear I shall never wear it. I muddled the stitches until Aunt NEll quite lost patience with me. I wanted to talk of the plague but feared to put it into words. I cannot believe that calamity is just around the corner. I was born in London and have lived here all my life. We cannot have the plague here. Imagine what would become of us if the King were to take the sickness and die.



今回の英語の音声を聞きたい方はこちらをどうぞ!











この英語、こう使おう!


”fret”
”fret”という動詞は「うーん」「はあ」と思い悩んでいます。基本的にはイギリス英語で使われる英単語のようです。自分にはどうにもならない感じが伝わってきます。大丈夫ですか、と声をかけたくなるような状態のfretだと覚えておきましょう。










”plague”
基本的には「疫病」という意味ですが、イギリスで”the Great Plague”というとこの時の腺ペストを具体的に指します。












”crochet ”

かぎ針を使って編むことを”crochet ”といいます。私は編み物には詳しくないのですが、「クローシェ編み」って普通に日本語でも言うのでしょうか。










”work”
「働く」ではない動詞の”work”について以前に説明しましたが、今回の名詞のworkも働くことの「仕事」というニュアンスからすこし調整が必要な意味になっています。今回のイメージとしては「やるべき作業」です。お金は発生しないけどやっておかないといけないことですね。そう考えると、英語の感覚では仕事というのはお金を稼ぐことというより、その人がするべきことと見ているのかもしれませんね。









”horrid”
”horrid”はかなりマイナスイメージをもった形容詞です。「すごい嫌な」「めちゃくちゃこわい」「吐き気がするような」。そうとうな拒否反応をバシバシ伝える英単語です。話している相手が悪口などで使ったら、あぁこれはとても嫌なんだな、と察しましょう。









”muddle”
”muddle”という動詞は、「もともとちゃんとしていたものをだめにする」というイメージです。「ぐちゃぐちゃ」「ごちゃごちゃ」にする、なっているんですね。秩序があったものが混とんとしてしまう、そこから「台無しにする」という意味にもなります。今回はそれが近いでしょうか。









”lost patience”
直訳すると「忍耐を失う」となります。なんとなく伝わってきます。「堪忍袋の緒が切れる」「我慢の限界が来る」といった感じでしょうか。この感覚だと英語ではpatience(忍耐)は所持するものというイメージがあるのかもしれませんね。










” put it into word”
” put ~ into word”はそれぞれの単語のイメージから全体の意味がつかみやすい英語かもしれません。「何かを言葉に込める」という感じですね。「~を言葉にする」という日本語になるので、抱えていた思いや考えを言葉にして表現しています。それまでの経緯があったことを思わせます。










”calamity”
「災厄」や「災難」といった日本語があてられる名詞です。「人に大きな不幸や損害をもたらすもの」というイメージです。人災も自然災害もどっちも含みます。










”just around the corner”
”just around the corner”には「もうすぐそこ」「目と鼻の先」という日本語があてられますが、もとの英語の「すぐそこの角」というイメージはなかなか鮮明なのでそれで覚えるといいかもしれません。すぐそこの角まで疫病が来ていると想像すると、ぞっとします。










”if the King were”
“were”があるので文法でいう「仮定法」が使われています。仮定法は現実とは別の、起こりえない世界を想像して話している状態です。なので、この女の子は王様が疫病にかかって死ぬことなど、まずありえないと伝えようとしていることがわかります。











全体訳

一日中ずっと疫病のことばかり考えてた。かぎ針編みの作業に集中できない。あのちっちゃな襟がほんっといや。あんなの着るわけないじゃない。ネルおばさんがわたしにもうつきあってられない、ってなるまで、編み込みをだいなしにしてやっちゃった。疫病について話をしてみたかったんだけどな、でも口に出すのがこわい。そんな災難がすぐそこまで来てるなんて信じられない。わたしはロンドンで生まれてずっとここで育ってきたんだもん。ここに疫病が来るなんてありえない。王様が病気になって死んじゃうなんてことになったら、わたしたちはどうなっちゃうか考えてみてよ。

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運営者紹介

英日産業翻訳者です。IT系やスポーツ関連商品などの企業コンテンツ、コミュニケーションやゲームのアプリの翻訳やレビュー、品質管理をしています。 2020年に東京から和歌山に移住しました。時間ができると、美味しいものやきれいな景色、由緒あるスポット、面白いイベントを求めて、折りたたみ自転車でふらふらと出かけていきます。

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