さて、今回のロンドンはイギリスにまつわるさまざまな著書を書いている、Christopher Winnの本を取り上げてみたいと思います。
タイトルは”I never knew That About London”です。彼の著書は”I never knew…”で始まるのがお決まりのようです。
ロンドンの魚市場"Billingsgate”の英文を見てみましょう。
今回の英文
A lovely riverside path runs east from London Bridge past the long, yellow, French Renaissance facade of the building that once housed Billingsgate fish market. Dating from 1877, it was converted into smart offices by Sir Richard Rogers after market moved to the Isle of Dogs in 1982, but still proclaims its heritage with a fish on top of the weather-vane at each end.
英文の読み上げにはtext-to-speechをご利用ください。
全体訳
ロンドンブリッジを通り過ぎ、東に延びる川沿いのきれいな小道をずっと行くと、フランスルネッサンス調の黄色いファサードをした建物が見えてくる。この建物はかつてのビリングスゲート魚市場として使われていたものだ。1877年から歴史は始まり、1982年にドッグ島に市場が移されてからは、リチャード・ロジャース伯によって小さくておしゃれなオフィスへと姿を変えた。しかし、風向計に上側の両端に魚がついているのを見ると、それが今もなお歴史的な遺産として残っているのだということがよくわかる。
この英語、こう使おう!
- “lovely”は基本的には「愛らしい」や「美しい」といった美的な魅力を表しますが、イギリス英語ではしゃべり言葉でざっくり「良い」というニュアンスとして使われます。”a lovely day”なら「いい日」だし、”lovely to see you”なら「君に会えてよかった」です。lavelyは「いい感じ!」。
- “path”については「"cathedral""sinuous""path"などの使い方。」の回を見てみてください。
- 今回の"run"は「"run""vault""out of the blue"などの使い方。」と同じ使い方なので、そちらを参考にしてみてください。
- “French Renaiisance”はルーブル宮殿などがその代表です。
- “facade(ファサード)”はヨーロッパの建物の描写にはよく使われる言葉です。その建物の正面にあたる部分です。ファサードだけを取り換えたり、逆にファサードだけを保存したりしますので、私たちが思っている以上に大切な建築物のようです。
- “house”は「家」。That’s all.と思ってしまいがちですが、houseには動詞の役割もあります。「住む場所を提供する」とか「何かをするための場所になる」意味として使われます。今回はもちろん後者です。自動詞としての使い方になります。
- “dating”はやはり名詞ではなく動詞の”date”にingがついたものです(いわゆる分詞構文)。今回は「過去をさかのぼる」という意味で使われています。歴史を感じさせるものに使えそうですね。”dating from”とfromが後にあるので、そこまでさかのぼってまた時代を降りてきているイメージになります。
- “convert into”は「形を変える」だけでなく、目的や仕組みなど、目に見えないものにも使われます。今回はどうやら小さくおしゃれになっているので外見という形も変わっているし、目的も魚市場からオフィスに変わっているので二つの意味が含まれているようです。
- “smart”は今回「おしゃれな」「洗練された」というニュアンスで使われていますが、どうもこの単語にはちょっと知性や財力があるという含みもあるようです。「資産階級」につながるイメージです。
- “proclaim”は日本語の単語ひとつで表そうとすると少し難しいです。「目に見えてそうなっている」「明らかにそうだよね」ということを「示している」ときに使います。今回で言うと、風向計についた魚の飾りが、「どう見てもそうだったことを示している」というニュアンスになります。
- “heritage”は長い時代背景を持ち、歴史や文化的な価値を持っていて重要なものを指します。
- “the weather-vane”はよくヨーロッパの家の上にある風向計ですが、この単語を「風見鶏」と言いにくいのは、おんどりがついていない風見をweathervaneと言うからです。
- “each end”は「両端」と今回は訳しましたが、eachなので、もちろん端が3つ以上あるときにも使えます。
それではこうした英語のイメージを持ちつつチャンク(チャンクとは)を意識して、10回音読しましょう(音読で気をつけること)。
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