2015年7月26日日曜日

英語の笑い方について。その他、小包のアメリカ英語とイギリス英語の違いなど。

こんにちはー、トレーナーどばしです。




今回は小説の英文を実践のスピーキングなどに使えるように解説していきたいと思います。




タイトルは”Private London”で、作者はJames Pattersonです。




主人公のHannah Shapiroは中学生のころ、住んでいたロサンゼルスであやうく命を落としかけ、探偵のJack Morganに助けられます。彼女はその後危険を避けるためにロンドンに移り住んだのですが、ここにまで魔の手は伸びてくるのでした。




それではHannahがロサンゼルスにいて、母親とショッピングに出かけている場面の英文を見てみましょう。




今回の英文


They were both laden with packages, bags from all the best stores hanging off their shoulders.
'We have done very well with the shopping,' said Hannah, grinning broadly.
'Daddy said to make it up to you for missing breakfast.'
'He's doing a very good job.'
'So far. But the day is young.'
'Yes.'
'And it's good we have the time to ourselves. Daddy doesn't do shopping.'
 Hannah chuckled. 'I know.'
Jessica Shapiro winked at her. 'But your mother, darling...is a professional!'
Moments later, she fetched out the keys to the Mercedes convertible they were approaching in the underground car park.




今回の英語の音声を聞きたい方はこちらをどうぞ。













全体訳


2人とも荷物でいっぱいだ。お気に入りのお店の袋が両肩から下がっている。
「いい買い物できたね」は満面の笑みでハンナは言った。
「パパが、朝食一緒に食べられなかった埋め合わせをハンナにしてくれるって」
「お仕事がうまくいってるんだ」
「今のところはね。まだまだこれからよ」
「そうだね」
「それに私たちには時間があってよかったじゃない。パパはショッピングする人じゃないんだから」
ハンナはクスクスと笑った。「知ってる」
ジェシカ・シャピロは娘にウィンクをした。「でも、あなたのママは、いい?プロ級よ!」
地下駐車場でジェシカがメルセデスのオープンカーからキーを取り出しに行こうとしたその直後、彼らが近づいてきた。








この英語、こう使おう!




”laden”
”laden”は「ずっしりと重いものを持っている、乗せている」状態の形容詞です。人だけでなく物にも使えます。何がずっしりと乗っているかは今回のように”with(~で)”とセットにして説明します。






”package”


「紙で包まれたもの」あるいは「いろいろなものが詰めてあるバッグや箱」を”package”と言います。ただ、これは北アメリカでの言い方です。紙で包まれたものをイギリスでは”parcel”と言います。






”do well”

”do well”は「うまい具合にできる」という意味になります。スピーキングなどでは重宝しそうな言葉です。今回のように”very”など強調する英語と一緒に使うといいでしょう。







”grin”

”grin”は日本語にすると「にやっ」とか「にっ」といった表現になってしまうことが多い笑い方を表す動詞ですが、別に意地悪さを必ず含んだ英語ではありません。”smile”よりももっとしっかり笑っていることを伝えることができます。今回も後ろに”broadly”という相性のいい英語がくっついていることで最高にうれしい笑顔になっていることがわかります。






”broadly”

”broadly”は「おおまかに、だいたい」といった意味で使われることが多い副詞ですが、”smile”や”grin”などの笑う系の動詞につくことで思いっきり口角が上がっていることを伝えます。






”make it up”

”make it up”あるいは”make up”どちらも同じ意味で、「埋め合わせをする」という意味の動詞になります。ただ、make it upはイギリスでしか使わないようなので、Jessicaさんは以前イギリスに住んでいた方なのかもしれませんね。その他make it upには友達とか恋人とかが「仲直りする」という意味もあります。「空白になってしまった時間を埋める」というイメージなんでしょうね。






”miss”

”miss”という私たちもよく知っている単語ですが、実はいろんな使い方ができるのを知らなかったりします。missは「何かをしそこなう」というイメージがあります。今回は「何らかの事情でいない、行けない」という意味の動詞になっています。






”so far”

“so far”は「現時点では、いまのところは」といった日本語になります。今はそうだけどこの先はわからないよ、といったニュアンスで実際の英会話でも使える言葉ですね。






”the day is young”

意味としては「まだ日が浅い、まだまだこれから」というこのフレーズは、それほどよく使われるわけではなさそうです。19世紀くらいから文章には見られるようです。言葉の響きから何となくわかるように、ちょっとかっこつけた言い回しとして使えます。






”chuckle”

”chuckle”は日本語だと「クスクス」とか「ふふふ」とか「くっくっく」という静かな笑いを表します。今回は動詞です。忍び笑い、含み笑い、控えめの笑い。笑い方を表す言葉なので、特定の感情や意図があるわけではありません。






”fetch”

”fetch”という動詞は”go”と”bring”が合わさったイメージになります。「取りに行く」という意味です。今回はオープンカーから物を取り出すので、中に入って取るイメージではなく、外からひょいっと取り出す感じなので”out”がくっついているようです。





”convertible”


「オープンカー」は和製英語です。英語では”convertible”になります。




それではそれぞれの英語のイメージを持ちつつ音読を10回しましょう。


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英日産業翻訳者です。IT系やスポーツ関連商品などの企業コンテンツ、コミュニケーションやゲームのアプリの翻訳やレビュー、品質管理をしています。 2020年に東京から和歌山に移住しました。時間ができると、美味しいものやきれいな景色、由緒あるスポット、面白いイベントを求めて、折りたたみ自転車でふらふらと出かけていきます。

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