今回の使える英語音読もテーマはロンドンで参ります。
本のタイトルは”Bizarre London: Discover the Capital’s Secrets &Surprise” で著者はDavid Longです。
ロンドンに住んでいた不思議な人たちを記録をさかのぼって書き連ねた本です。向こうの方々なら知っている人たちなのかよくわかりませんが、実にたくさんの数奇な運命をたどった人物が載っています。
ではその中から、19世紀にいたJohn Williamsという人物について書かれているちょっと怖しい文章を見てみましょう。ポジティブな言葉だけが英語ではないので、ダークな分野にもたまには勇気を持って踏み込んでみたいと思います。でも、ホラーとかが苦手な方は今回はスルーしてくださいね。この実話ですけど。
きょうの英文
Accused of the hideous Ratcliffe Highway Murders-when members of two families had their throats cut-Williams was, in all likelihood, innocent, but hanged himself in his cell before a jury could decide. With suicide illegal, and (more significantly) bloodthirsty Londoners feeling cheated of the gruesome spectacle they felt they deserved, his corpse was paraded through East London and a stake driven through his heart before the burial at the crossroads of New Road and Cannon Street Road, E1.
英文の読み上げにはtext-to-speechをご利用ください。
全体訳
おぞましいラットクリフ殺人事件―二家族が喉を切られた―の被告ウィリアムスはほぼ間違いなく無罪だったのに、彼は判決が下りそうになる前に独房の中で首をつった。自殺が違法だったことや、(実はそれ以上に大きかったのは)血生臭いことが好きなロンドン市民がぞっとするような見世物が見られると思っていたのに騙されたような気分になっていたために、事件はそれで終わりにならなかった。ウィリアムスの死体はイースト・ロンドンの市中を引き回された上、心臓に杭を刺した状態にしてニュー・ロードとキャノン・ストリート・ロードE1の交差点に埋葬した。
きょうの英文、こう使おう!
- “accused”は今回は殺人事件についての話で出てきているので、「告発された」という意味になりますが、もっと一般的に間違いなどを「指摘する」という意味でよく使われます。
- “hideous”は生理的に嫌悪感を持つニュアンスです。口にするのもはばかられることに使います。
- “in all likelihood”は「十中八九」「ほぼ間違いなく」という慣用表現です。間違いなくそうだと思うよ、という感じでさらっとこんな英語が口から出たら、かっこいいですね。
- “innocent”「純真無垢な」という意味もありますが、刑事事件や裁判などの状況でこの単語が出てきたら、「無実の」というふうになります。しかも無実「なのに」という誤認逮捕の含みが出てきます。「無実の罪で」というのですね。
- “cell”も今回は刑事事件などの流れなので、「牢屋」や「監獄」、「独房」といった意味になります。cellは全体として閉塞的な空間のイメージです。
- 以前にも書きましたが、今回の”could”も「~ができた」ではなく、「~かもしれなかった」という推量の意味になります。可能のcan,could以外の意味も使えるようになるとちょっと英語がレベルアップした実感が得られるのではないでしょうか。
- “cheat”は裏切ったり、だましたり、背信となる行為をすることです。相手の信頼を著しく損なうような行動を「意図的に」している感じです。今回は"feeling cheated"なので「裏切られたような気分」ですね。
- “gruesome “は”hideous”と同じようなグループにいますが、もっと具体的に傷害や死のイメージがまとわりつきます。嫌悪よりも「恐怖」の感情が強いです。
- “spectacle”は「ショー」のようなイメージです。多くの人の注目を集める出来事。それだけに”gruesome”と組み合わさることで、人々の常軌を逸した欲望を表現していることがわかります。
- “deserved”は「当然の」「それだけの価値がある」などの日本語訳があてられたりしますが、その根底には「それくらいの権利を持っている」というニュアンスになります。もちろん主語となる人がその権利を持っていると、この言葉を使う人が「思っている」ということになります。実際にそうなのかは別ですが。
- 死体は単に”body”ということが多いですが、”corpse”は人間にしか使いません。そういった意味では「遺体」という日本語が近いのかもしれません。
- “drive through”はカタカナ語の「ドライブスルー」としても使えます。通り抜けていく感じですね。今回で言うと、強烈なシーンを、心臓を「貫通させた」という言葉で表現しています。
さて、以上の使い方をいろいろ頭の中で考えながら、きょうの英文を10回くらい音読しましょう!
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