2015年7月29日水曜日

"railwaysと"train"の「電車」の違いは?その他、抽象的な英語"ambition"や"genuine"などのイメージをつかもう。

こんにちはー、トレーナーどばしです。





さて、今回はロンドン・ブリッジまでの通勤電車でみかけたおかしな人々を描いた本の英文を題材にしたいと思います。



本のタイトルは”The 7.52 to London Bridge”です。著者はMR Julian Kirkman-PageとMiss Alexandra Pageです。





今回の英語


I am fifty years of age, a businessman, and a rail commuter bound for London Bridge station. But this fine early morning, Dear Reader; I am in the guise of a student. After countless years of sitting, staring aimlessly out of the train window, I am now attempting to employ the time usefully by studing for a degree with the Open University. This is quite a lofty ambition for someone who was 'asked to leave' school and who ended up with few genuine qualifications.







今回の英文の音声を聞きたい方はこちらのサイトをどうぞ!"Say It"ボタンを押せばすぐに聞けますよ。











全体訳


私の年齢は50歳。ビジネスマンだ。ロンドン・ブリッジ駅まで電車通勤している。しかしこの気持ちのいい早朝、読者の皆様方よ、私は学生としてこの電車に乗っているのだ。実に長い年月を椅子に腰かけ、ぼんやりと車窓の外を眺めてきて、今や私は通信制大学の学位を取得すべく勉強して、有益な時間を過ごそうとしているのだ。学校から「出ていくよう言われた」人間や、ただただ本当に必要な試験にほとんど合格しないままに終わった人間にとっては実に高邁な志ではないか。













この英語、こう使おう!



“rail”
日本語の「レール」という意味ももちろんある名詞ですが、今回はレール通勤者ではなんのことやらわからなくなってしまいますので、”railways”と同じ「鉄道」という意味になります。



日本語に訳すと「電車通勤」となるので、”train”は?と思ってしまいますが、rail、railwaysは「鉄道」つまり交通網としての電車を指しています。一方、trainは「車両」としての電車を指しています。日本語ではどちらも電車と言ってしまいますが、英語では区別しているんですね。



ちなみにrailwaysはイギリス英語、アメリカでは”railroad”になります。



そして、railを今回のように鉄道という意味で使う場合は、形容詞の役割をするように名詞の前に置かれることが多くなります。たとえば「鉄道事故」は”rail accident”。





”commuter”
ある程度の距離を移動して通勤する人を”commuter”と言います。ちなみに通勤定期は”commuter pass”とか”commutation pass”になります。





”bound”
今回の”bound”は形容詞です。「~することに決まっている」というイメージを持つboundは”bound for”で「~行きの」という意味になります。





“in the guise of”
“in the guise of”は「いつもとは違う人として」というニュアンスの英語です。今回の英文ではビジネスマンとしての自分とは違って、きょうは学生ですよ、というところにポイントを置いて伝えようとしているんですね。文脈によっては、本当の顔は別にあるけどいまは装った人として、という意味で使い、日本語だと「~のふりをして」となることもあります。





”countless”
数えることができないくらい、という日本語があてられることが多い形容詞で、つづりを見てもそんなイメージが伝わってきます。でも、今回の”countless”は文字通りに受け取ってしまってはいけない使い方のようです。


著者が何歳から働き始めたのかはわかりませんが、50歳までの数十年を日数にしたところでも「数えきれない」「無数」とするのは変ですよね。


これは強調の使い方です。「本当にたくさんの」「これでもかというくらい多くの」という、話し手の「本当にさぁ」という気持ちが伝わる英語です。いや、数えられないことはないでしょ、って身もふたもないことを言ってはいけません。





”aimlessly”
”aimlessly”は「あてどない」様子を表す副詞です。”aim”という一点に絞る感じがない状態なので、ぼやっとしてるんですね。






”attempt”
”attempt”は日本語にすると「~を試みる」「~しようと努力する」など、”try”とどこが違うんだろうと思ってしまう動詞です。attemptは「かなり見込みがないものに挑戦する」ニュアンスがあります。いわゆるダメでもともとな感じですね。無理ではなくても、かなり難しいことにチャレンジするときに使えます。





”employ”
”employ”という動詞には「何かの割り当てをする」というイメージがあります。よく使われる「雇う」という意味も、「仕事を割り当てる」ということなんですね。今回の英文では「何かすることに時間を割り当てる」という意味になります。






”lofty”
”lofty”という形容詞はいろんな意味で「高い」を表します。物理的な高さにも使いますが、今回のように「高み」を目指すというニュアンスでも使います。






”ambition”
”ambition”は「野心」とか「志」といった日本語があてられる名詞です。なんとなくわかるようなわからないような英語ですが、ざっくり言えば「何かを達成してやろうという強い想い」です。なるほど、それは見る人によっては「野心」に見えたり「大志」に見えたりするはずです。






“end up”
“end up”には「いつの間にかそうなってしまっていた」というニュアンスがあります。「そんなはずじゃなかったんだけどな・・・」という感じですね。"result in"とはだいぶ違います・・・。






” genuine”
” genuine”は「本物の」「偽物じゃない」といった日本語がつけられる形容詞ですが、イメージとしてはいわゆる「ありのままの」ってやつです。





”qualification”
資格やそれにまつわる能力という意味で使われることが多い名詞ですが、今回は大学についての話をしているので、学位を取るために必要な試験という意味です。

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運営者紹介

英日産業翻訳者です。IT系やスポーツ関連商品などの企業コンテンツ、コミュニケーションやゲームのアプリの翻訳やレビュー、品質管理をしています。 2020年に東京から和歌山に移住しました。時間ができると、美味しいものやきれいな景色、由緒あるスポット、面白いイベントを求めて、折りたたみ自転車でふらふらと出かけていきます。

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